GDPって何?なぜ家計や企業が持つお金の量はGDPに含まれないのかをやさしく解説

経済、景気

ニュースや経済番組でよく耳にする「GDP(国内総生産)」。でも、実際にどんなものを計算しているのか、そしてなぜ通貨の保有量が含まれないのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか?この記事では、GDPの基本的な意味から、計算に含まれるもの・含まれないものをわかりやすく解説します。

そもそもGDPとは?

GDP(Gross Domestic Product)とは、「国内で一定期間(通常は1年間)に新しく生み出された付加価値の総額」を表す指標です。つまり、モノやサービスが生み出された経済活動の成果を金額で示したものです。

たとえば、パン屋さんが100円のパンを作って売った場合、その100円がGDPに加算されます。なぜなら、そのパンという「新しい価値」がその年に生み出されたからです。

GDPに含まれるもの・含まれないもの

GDPに含まれるのは、以下のような活動です。

  • 企業による製品・サービスの販売
  • 政府の公共サービス(教育、警察など)
  • 家計の消費活動(買い物、外食など)

一方、GDPに含まれないものには以下のようなものがあります。

  • 中古品の売買(価値は過去に生み出されたため)
  • 株の売買(資産の移動であり価値の創出ではない)
  • 個人や企業が保有しているお金の総量

これらは、「新たに生み出された価値」ではないため、GDPの対象外なのです。

なぜ通貨の保有量はGDPに入らないのか?

たとえば、あなたが財布に1万円を持っていても、それ自体は「経済活動」ではありません。お金はあくまで交換の手段であり、それ自体が価値を生み出すものではないのです。

逆に、その1万円でスーパーに行って食材を買った場合は、「支出=誰かの収入=経済活動」となり、その分の金額がGDPに計上されます。つまり、GDPは「お金が動いたときに、その動きが価値を生んだかどうか」で判断されているのです。

GDPの3つの計算方法

GDPの計算には3つの視点があります。

  • 支出面:消費+投資+政府支出+輸出−輸入
  • 生産面:各産業で生まれた付加価値の合計
  • 分配面:労働者の賃金+企業の利益+税−補助金

これら3つの方法は、どの視点から計算しても同じ結果になるはずという「三面等価の原則」が成り立っています。

GDPとお金の流れを具体例で考える

例えば、以下のような取引があったとします。

  • AさんがB社のハンバーガー(500円)を購入 → GDPに+500円
  • AさんがATMで1万円を引き出して財布に入れる → GDPには影響なし
  • Aさんが株を購入(10万円)→ GDPには影響なし(株の価値が上がっても、それ自体は経済活動ではない)

このように、「お金を持っていること」と「お金を使って価値を生むこと」には明確な違いがあるのです。

まとめ:GDPは“動くお金”と“新しい価値”を測るもの

GDPは、単に通貨や資産を保有しているだけではなく、実際に市場で価値あるモノ・サービスを生み出した活動に対してのみカウントされます。そのため、家計や企業が保有している通貨の量は、経済成長の指標にはならず、GDPには含まれないのです。

「お金は使って初めて意味を持つ」――この考え方がGDPの本質を理解するカギです。経済の“動き”を見るうえで、GDPはその心臓のような役割を担っているのです。

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