経済学における独占市場分析は、消費者余剰(CS: Consumer Surplus)の観点からも重要です。本記事では、与えられた逆需要関数と費用関数に基づいて、独占市場での消費者余剰を求め、完全競争市場との比較を行います。
与えられた関数の確認
問題で与えられているのは以下の2つの関数です。
- 逆需要関数:P(q) = 5000 – q/2
- 費用関数:C(q) = q² / 6
ここで、qは生産(販売)数量、P(q)は価格を意味します。
独占市場における利潤最大化条件
独占企業は利潤を最大化するため、限界収入(MR)と限界費用(MC)を等しくする点で生産量を決定します。
収入 R(q) = P(q) × q = (5000 – q/2) × q = 5000q – q²/2より、
- 限界収入:MR = dR/dq = 5000 – q
- 限界費用:MC = dC/dq = q/3
MR = MCを解くと、5000 – q = q/3 → q = 3750
このときの価格はP(3750) = 5000 – 3750/2 = 3125となります。
独占市場での消費者余剰(CS)の求め方
消費者余剰は、需要曲線と市場価格の間の面積で表されます。つまり、
CS = ∫₀^q P(q) dq – P(q) × q
具体的に計算すると、
- ∫₀^{3750} (5000 – q/2) dq = [5000q – q²/4]₀^{3750} = 18750000 – 3515625 = 15234375
- 取引価格との積:3125 × 3750 = 11718750
- したがって、CS = 15234375 – 11718750 = 3,515,625円
競争市場との比較
競争市場では、価格が限界費用と一致するため、より多くの取引が行われ、消費者余剰も大きくなります。
この問題では、競争市場におけるCSが900万円と与えられており、独占市場でのCSは3,515,625円と明らかに少なくなっています。
まとめ
独占市場においては、企業が価格を操作できるため、消費者余剰は競争市場に比べて大きく減少します。本記事で扱った例では、独占によりCSが約550万円以上も減少していることが確認できました。これは経済政策や市場構造の分析において重要な示唆を与えてくれます。

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