経済学では、市場での価格と数量がどのように決まるかを分析するために、需要関数と供給関数を使います。本記事では、与えられた関数を用いて具体的に均衡価格と均衡数量を導出し、変化がどこに起こるのかを丁寧に解説していきます。
与えられた関数と前提
需要関数: D(p, I) = 10 – p + I
供給関数: S(p, w) = p – w
(1) 所得 I=10, 要素価格 w=10 の場合
需要関数は D(p) = 10 – p + 10 = 20 – p、供給関数は S(p) = p – 10。
市場均衡条件 D(p) = S(p) を解くと、20 – p = p – 10 → p = 15、均衡数量 Q = 5。
(2) 所得が I=20 に上昇した場合(wは10のまま)
新たな需要関数は D(p) = 10 – p + 20 = 30 – p。供給関数は変わらず S(p) = p – 10。
市場均衡条件 30 – p = p – 10 → p = 20、均衡数量 Q = 10。
(3) この変化は需要曲線によるものか?
はい。所得が増加したため、需要関数における定数項が増え、需要曲線が右にシフトしたことで価格・数量ともに上昇しました。
(4) 要素価格 w=20 に上昇した場合(Iは10のまま)
需要関数は D(p) = 10 – p + 10 = 20 – p。新たな供給関数は S(p) = p – 20。
市場均衡条件 20 – p = p – 20 → p = 20、均衡数量 Q = 0。
(5) この変化は供給曲線によるものか?
はい。生産要素価格 w が上昇したことで供給関数の切片が変わり、供給曲線が左にシフトしました。結果として、価格は上昇し、均衡数量はゼロとなりました。
まとめ:需要と供給のバランスが市場を動かす
本事例では、所得や生産要素価格の変化が市場の均衡価格と数量にどのような影響を与えるかを明示的に示しました。需要は所得、供給はコスト(要素価格)に左右されることを理解することが、市場分析の第一歩です。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント