東証、1株単位の売買断念か?投資単位引下げの現状と課題を解説

株式

東京証券取引所(東証)は、個人投資家の参入促進を目的に、株式の売買単位を1株に引き下げる検討を進めていました。しかし、2025年4月時点での報告書によると、1株単位への変更は見送られ、代わりに投資単位の金額引下げを上場企業に要請する方針が示されました。

1株単位売買の検討と見送りの背景

東証は、少額投資の促進を目的に、売買単位を現在の100株から1株に引き下げる検討を行っていました。しかし、勉強会での議論の結果、以下のような課題が浮上し、1株単位への変更は見送られました。

  • 投機的売買の助長や低流動性銘柄への影響
  • 注文・約定件数の増加によるシステム・キャパシティの課題
  • 株主提案権の行使要件の緩和による濫用的な権利行使の懸念
  • 株主数の増加による株主総会の運営コストの増大

これらの課題を踏まえ、東証は1株単位への変更を見送り、現行の100株単位を維持する方針を示しました。

投資単位の金額引下げへの方針転換

1株単位への変更を見送った東証は、投資単位の金額を引き下げる方針に転換しました。具体的には、投資単位の水準を「10万円程度」とすることを目指し、上場企業に対して自発的な取り組みを促しています。

この方針転換により、個人投資家がより少額から株式投資を始めやすくなることが期待されています。

上場企業への要請と対応状況

東証は、投資単位の引下げに向けて、上場企業に対して以下のような要請を行っています。

  • 投資単位の水準や引下げに向けた方策を自発的に検討すること
  • 株式分割の実施や株主向け情報提供の充実など、個人投資家への働きかけを強化すること

これに対し、多くの上場企業が株式分割を実施するなど、投資単位の引下げに向けた取り組みを進めています。

個人投資家への影響と今後の展望

投資単位の金額引下げにより、個人投資家はより少額から株式投資を始めやすくなります。これにより、投資家層の拡大や市場の活性化が期待されています。

一方で、株主数の増加に伴う株主総会の運営コストの増大や、株主提案権の行使要件の緩和による濫用的な権利行使の懸念など、課題も残されています。今後は、これらの課題に対応しつつ、個人投資家が安心して投資できる環境の整備が求められます。

まとめ

東証は、1株単位への売買単位の引下げを見送り、投資単位の金額引下げを上場企業に要請する方針に転換しました。これにより、個人投資家がより少額から株式投資を始めやすくなることが期待されています。一方で、株主総会の運営コストの増大や株主提案権の濫用などの課題も残されており、今後はこれらの課題に対応しつつ、個人投資家が安心して投資できる環境の整備が求められます。

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