2024年の米大統領選を控え、トランプ前大統領は「バイデン政権下で経済は崩壊したが、自分の時代には好調だった」と主張しています。こうした発言は政治的色合いも強く、実際の経済状況と乖離している場合もあります。この記事では、客観的な経済指標をもとに、米国経済が本当に“復活”したのかを読み解いていきます。
GDP成長率:景気全体のバロメーター
米国のGDP成長率は、経済の健康状態を表す代表的な指標です。トランプ政権時の2020年は新型コロナウイルスの影響で前年比-3.4%と大幅なマイナス成長でした。
一方、バイデン政権発足後の2021年には+5.9%、2022年には+2.1%、2023年も堅調に推移しています。つまり、数値上はバイデン政権下でV字回復を見せたと言えます。
失業率:労働市場の回復度合い
トランプ政権末期の2020年4月には、パンデミックの影響で失業率が一時14.7%に急上昇。しかし、バイデン政権発足後、景気刺激策やワクチン普及が進み、2023年末には3.7%前後とパンデミック前の水準に戻っています。
労働市場の回復は、経済回復を裏付ける明確な証拠として評価されています。
株価指数:投資家の期待を映す指標
米国株式市場も大きく動きました。S&P500指数はトランプ政権下で大きく上昇しましたが、2020年に一時急落。
バイデン政権下でも回復は続き、2024年には過去最高値を更新する場面も見られました。これはFRBの金融政策やAIブームなど、市場全体の成長期待が反映された結果です。
インフレ率と金利:課題も山積
ただし、バイデン政権下での最大の経済的課題はインフレです。2022年にはインフレ率が9%近くまで上昇し、FRBは急速な利上げで対応しました。
インフレの主因は、コロナ後の需要急増とサプライチェーンの混乱、ロシア・ウクライナ戦争によるエネルギー価格上昇などで、バイデン政権だけの責任とは言い切れません。
中間層の生活実感:経済回復とのギャップ
経済指標は回復を示していますが、多くの米国民が「生活が楽になった」と感じていないのも事実です。ガソリン代や食品価格の高騰、家賃の上昇など、庶民感覚では“経済の復活”を実感しづらい状況があります。
このギャップが、政治的な不満やトランプ人気の再燃につながっている側面も否定できません。
まとめ:数字は語るが、感じ方は人それぞれ
経済指標を見る限り、バイデン政権下で米国経済は着実に回復してきたと言えます。GDP成長率、失業率、株価など多くの数値がそれを裏付けています。
一方で、インフレや生活費の上昇が国民の実感と乖離しているため、「経済が良い」と断言できる状況でもないのが現実です。政治的主張と実際のデータを分けて見る視点が、今後ますます重要になるでしょう。

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