通常であれば「新米>古米>古古米」という価格の順序が成り立ちます。しかし、今後の世界的なインフレや需給バランスの変化により、「古古米が新米より高い」という逆転現象が現実になる可能性はあるのでしょうか?この記事では、未来に起こりうる価格構造の逆転のシナリオを経済的・農業的な視点から解説します。
お米の価格構造はなぜ逆転しないのか?
一般的にお米は「鮮度」が重視される食品であり、新米ほど高値がつくのが常識です。香り・食感・甘みなど、品質面で新米が優れるため、古米や古古米は価格が安く設定され、加工用や業務用として流通します。
また、農協や卸業者も適正在庫を管理するため、古米が過剰に市場に残ることは少なく、価格逆転が起こることは非常に稀です。
それでも価格逆転が起こるシナリオ
しかし、以下のような極端な状況下では、古い米の価格が新米を上回る可能性が生じます。
- 大規模な不作:自然災害や病害虫の影響で新米の収穫量が激減した場合。
- 物流・エネルギーコストの急上昇:新米の流通コストが跳ね上がり、結果として古米の在庫が割安に見えるケース。
- 緊急備蓄の放出制限:政府の備蓄米が放出されず、古米の流通が限られると市場価値が上昇する可能性。
- 投機需要:食糧危機の不安から、古米の備蓄に需要が集まり価格がつり上がる。
これらが重なれば「古古米5kg=5,000円」という価格も現実味を帯びてきます。
実際に起きた価格異常の事例
1993年の「平成の米騒動」では、冷害によって日本国内の米が大幅に不足し、タイ米などの外国産米が緊急輸入されました。このときは国内産米の価格が急騰し、古米も通常より高値で取引されました。
また、2020年代に入ってからは、ウクライナ情勢や気候変動の影響で世界的な食料価格が高騰しており、過去の価格常識が通用しにくくなりつつあります。
今後の価格形成に影響する要素
お米の価格逆転が実際に起きるかどうかは、次のような要因によって大きく左右されます。
- 気候変動の進行:日本の稲作地域が集中豪雨・猛暑・冷夏にさらされる頻度が増えれば、新米の安定供給は困難になります。
- 人口構造と消費量の変化:米の消費量が減少すれば在庫が増え、古米の価値は相対的に下がりますが、逆に輸出が増えれば価格は上昇します。
- 政府の米政策:農地の転作政策や備蓄米の管理制度も価格に影響を与えます。
これらの要因が複雑に絡み合って、お米の価格形成は大きく揺れ動く可能性があります。
消費者として備えるべきこと
価格逆転が現実になると、家計への影響は避けられません。そのため、以下のような備えが現実的です。
- 長期保存が可能な真空パック米や備蓄米の確保
- 複数産地のお米を交互に購入してリスク分散
- ふるさと納税などを利用した定期購入契約
また、価格変動の背景を知ることで、買い時やストック戦略をより的確に判断できます。
まとめ
「古古古米5kg=5,000円」という未来は現時点では非現実的に思えるかもしれませんが、気候変動・地政学リスク・投機的需要が重なれば起こり得る話です。今後の米市場の動向には注意を払い、柔軟に備えていく姿勢が求められます。

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