長期投資で「勝つ」ための本質とは?銘柄の乗り換えと長期保有の考え方を徹底解説

資産運用、投資信託、NISA

資産運用を始める際、「長期保有が大切」という言葉をよく目にします。しかし、長期保有とは具体的にどのような投資行動を指すのでしょうか?銘柄の入れ替えをしても長期投資と言えるのか、そして本当に勝ちやすくなるのか。本記事では、長期投資の本質と実際の運用に役立つ考え方をわかりやすく解説します。

長期投資の基本とは「市場から降りない」こと

長期投資とは、「何があっても一度買った銘柄を持ち続ける」という意味ではありません。実際には、市場に資金を残し続ける姿勢のことを指します。たとえ全世界株からS&P500に移したり、ナスダック100からFANG+へと入れ替えたりしても、資金を引き上げず投資を続けていれば、それは広義の「長期投資」に含まれます。

逆に、株式市場から完全に資金を引き上げて預金に逃げた期間が長ければ、相場上昇の恩恵を受けられないことが多く、複利効果も損なわれます。

銘柄乗り換えは「目的」と「タイミング」が重要

ポートフォリオを見直して、将来性のある銘柄に乗り換えるのは健全な戦略の一つです。ただし、その理由が「最近のパフォーマンスが良いから」「SNSで話題だから」だと短期的な投機になりがちで、逆に損をしやすくなります。

例えば、全世界株(VT)を保有していたが、今後米国市場の優位性を信じてS&P500(VOO)に乗り換えるという行為は、戦略的に合理的であれば問題ありません。ただし、頻繁な入れ替えはタイミングリスクを高めます。

売って買い直す「リスク」と「税金」の罠

日本では売却益に対して約20%の税金が発生します。たとえば含み益が出ていたS&P500を売却してナスダック100に乗り換える場合、税金で資産の一部が失われることになります。これが頻繁に発生すれば、長期保有で得られる複利の力が大きく削がれます。

「売って買い直す=戦略的」にはなりません。むしろ税金や手数料を考慮して、最小限の売買で方針を一貫させる方が効果的です。

成功している長期投資家たちの共通点

成功している長期投資家は、「銘柄を何度も乗り換えた人」よりも、「明確な戦略を持ち、それを守った人」が多いです。ウォーレン・バフェットやバンガード創業者のジョン・ボーグルも、「市場に居続けること」の大切さを強調しています。

たとえば、2000年代にハイテク株が暴落した後もインデックス投資を続けていた人は、その後の10年以上にわたる上昇相場で大きな利益を得ています。

銀行預金に逃げないことの重要性

一時的に下落相場が来ると「今は危ないから現金で保有しよう」と思うのは自然ですが、タイミングを外して市場に戻れなくなるリスクもあります。実際、相場の上昇は一部の限られた日だけで大きく進む傾向があり、そのタイミングを逃すとパフォーマンスが激減します。

たとえばS&P500の過去20年のデータでは、「上昇幅の大きかった10日間」に投資していなかっただけで、全体のリターンが半分以下になったという実例があります。

まとめ:本当の長期投資は「中身」より「姿勢」

資産運用において「長期で勝つ」ためには、必ずしも一つの銘柄を持ち続ける必要はありません。大切なのは「市場に居続ける姿勢」と「戦略の一貫性」です。定期的な見直しや、合理的な銘柄の入れ替えは問題ありませんが、感情や流行に左右された売買を繰り返すと、長期投資のメリットは損なわれます。

最終的には「焦らず、振り回されず、淡々と積み上げること」。これが多くの投資家が実践する、本質的な勝ち方です。

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