ボラティリティ指数(VIXや日経VI)は、株式市場の「揺れ幅」=リスク感を数値化したものとして知られています。日経VIが23.56という数値を見たとき、「これって結局どれくらい株価が動く可能性があるの?」と疑問に感じる方も多いはずです。本記事では、日経VIの値からどのように予想変動幅を算出するのか、またその結果を投資判断にどう活かせるのかを具体的に解説します。
日経VIとは?VIXとの違いも確認
日経VI(日経平均ボラティリティ・インデックス)は、日経平均オプションの価格から算出される指数で、今後30日間の変動率(年率換算)を市場がどの程度織り込んでいるかを示します。
米国でよく知られるVIX(S&P500ベース)と計算式は似ていますが、対象が日経平均であることが最大の違いです。投資家の「恐怖指数」とも呼ばれ、指数が上がると市場の警戒感も高まっていると判断されます。
変動範囲の計算方法:23.56の場合の例
日経VIから予想される変動幅は次の数式で求められます。
変動幅(30日) = 日経平均 × (日経VI ÷ 100) × √(30 ÷ 365)
仮に日経平均株価が38,000円、日経VIが23.56の場合、以下のように計算されます。
- 23.56 ÷ 100 = 0.2356
- √(30 ÷ 365) ≒ 0.286
- 予想変動率 ≒ 0.2356 × 0.286 ≒ 0.0674(=6.74%)
- 予想変動幅 ≒ 38,000円 × 6.74% ≒ 約2,561円
つまり、今後30日間で日経平均は±2,561円の範囲で動く可能性があるという市場の期待が読み取れます。
上記の計算結果から読み取れること
この変動幅は、あくまで「統計的に68.2%の確率で収まる」範囲(1シグマ)であり、必ずしも上限・下限というわけではありません。
同様に、95.4%の確率で収まる範囲(2シグマ)はこの2倍、つまり±5,122円と読み取れます。これにより「現実的な最悪シナリオ」のリスク管理にも役立ちます。
変動幅をどう活かす?投資判断への応用
この予想変動幅は、オプション取引の売買タイミングやストラテジー構築に有用です。また、ボラティリティが高まる局面では、短期取引よりもポジション縮小やヘッジ戦略を優先すべきという判断も可能です。
たとえば、VIが20を超える場面では「株価が数%以上動く可能性」が高まっているため、ストップロス幅を調整するなどの対策も検討されます。
過去の事例と23.56という水準の意味
日経VIの平均的な水準はおおよそ17〜20程度です。23.56という数値はこれより明確に高く、市場が不安定化しているシグナルと見ることができます。
過去には、2020年3月のコロナショックで日経VIが60超に達したこともあり、異常水準の参考になります。したがって、23.56という水準はやや警戒感の強い相場であると読み取れます。
まとめ
日経VIが23.56という数値は、約30日間に±6.7%(日経平均で約2,500円)の変動が予想される状態を示しており、市場が比較的高いボラティリティを意識していると考えられます。具体的な計算式と意味を知ることで、投資判断の根拠やポジション管理の精度が高まります。
VIXや日経VIは、単なる「指数」ではなく、投資家の心理や相場環境を読み解く重要な手がかりです。数値の裏にある市場の声に、冷静に耳を傾けてみましょう。

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