証券口座は死亡後どうなる？凍結の仕組みと遺族の手続き方法

株式

2025.06.07

証券口座は投資や資産形成に利用される重要な金融口座の一つですが、口座名義人が亡くなった場合には特別な扱いがなされます。この記事では、証券口座が死亡後に凍結される理由と、遺族が取るべき手続きについて詳しく解説します。

死亡すると証券口座は凍結されるのか？

結論から言うと、証券口座は名義人が死亡した時点で凍結されます。これは、金融機関が口座名義人の死亡を確認すると、資産が勝手に動かされるのを防ぐために全ての取引が停止されるからです。

凍結された証券口座では、売買注文、出金、名義変更、追加投資などの一切の操作ができなくなります。相続人による正式な手続きが完了するまで口座はそのまま保留状態になります。

証券会社が口座の凍結に踏み切るのは、死亡届や戸籍謄本などで名義人の死亡が確認されたときです。また、年1回の「生存確認」の電話や郵送物の不達、顧客からの連絡などをきっかけに死亡が発覚することもあります。

逆に言えば、証券会社が死亡を知らなければ自動的に凍結されることはありません。ただし、死亡後に不正取引があった場合には、相続人に不利益が及ぶ可能性があるため、早めに連絡することが重要です。

証券口座の相続には以下のようなステップがあります。

書類提出から完了までは通常1～2か月程度を要します。証券会社によって対応が異なるため、公式サイトやコールセンターでの確認が必須です。

証券口座相続でよくあるのが、相続人間のトラブルや、必要書類の不備による遅延です。特に複数の相続人がいる場合は、遺産分割協議に時間がかかることがあります。

また、未成年の相続人がいる場合や、相続放棄・遺留分などの問題が絡むと手続きはさらに複雑になります。司法書士や弁護士に相談することでスムーズに進められることがあります。

相続税が発生する場合、証券の評価額は死亡日時点の時価で計算されます。証券会社から発行される「残高証明書」や「相続用明細書」が必要になるため、早めに取り寄せておくと安心です。

なお、相続税の申告・納税は原則として死亡から10か月以内に完了しなければなりません。

名義人が死亡すると証券口座は凍結され、すべての取引が停止されます。遺族がスムーズに資産を引き継ぐには、証券会社への連絡と必要書類の準備が欠かせません。

相続トラブルや手続きの煩雑さを防ぐためにも、生前にエンディングノートの記入や家族への共有をしておくことが非常に有効です。大切な資産を適切に次世代へ引き継ぐために、正しい知識と備えが重要です。

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