消費税の減税や廃止を求める声が与野党問わず広がりつつあります。特に2025年の選挙戦では、複数の政党が減税を公約に掲げ、政策論争の中心となる可能性があります。この記事では、消費税の段階的廃止に向けて必要となる財源の議論と、それに関連する現実的な財政政策について解説します。
なぜ今「消費税廃止」が議論されているのか
コロナ禍による生活困窮層の増加や、物価高騰による実質可処分所得の減少により、逆進性の強い消費税に対する批判が高まっています。政党の中には、消費税を段階的に廃止し、別の形で財源を確保すべきだとする意見が主流になりつつあります。
特に参政党やれいわ新選組などは、消費税そのものを不公正な税制と位置づけ、ゼロ税率化を掲げています。
消費税廃止に必要な財源とは
消費税収は2023年度予算ベースでおよそ22.4兆円に達しており、国家財政の重要な柱のひとつです。そのため、廃止する場合はこの穴埋めが不可欠です。代表的な財源候補としては以下の通りです。
- 法人税の増税:利益を上げている企業に対して負担を求める方式。景気への影響に注意が必要。
- 防衛費の見直し:2027年度までにGDP比2%へ倍増が予定されているが、これを抑制する案。
- 高所得者層への所得税強化:累進課税の強化により富裕層からの税収を増やす。
- 金融所得課税の見直し:株式・配当などへの税率引き上げも検討材料。
法人税増税のメリット・デメリット
法人税の引き上げは、消費税の逆進性と対比し、「応能負担の原則」に基づく公平な税制として支持を集めています。
ただし過度な増税は、企業の投資意欲を損ねる可能性があるため、国際的な競争力の観点から段階的な調整が必要とされています。
防衛費削減による財源確保の可能性
2022年末に決定された防衛費倍増計画は、5年間で約43兆円規模の新規予算を組む内容です。この増額分を見直すことで、消費税廃止分の一部財源を捻出する試みが検討されています。
ただし、地政学的リスクが高まる中での防衛費削減には慎重な議論が求められます。
軽減税率の活用という中間的アプローチ
全面廃止が困難な場合、まずは生活必需品に対する軽減税率の拡充が現実的な対応とされています。たとえば食品、医薬品、育児用品などはすでに軽減税率の対象ですが、これを家計支出の大きい電気・ガス・水道などにも拡大する動きがあります。
軽減税率の拡大により、低所得者層の負担緩和と景気下支えが期待されます。
他国の事例から学ぶ:税制改革の選択肢
EU各国では、消費税(VAT)において複数の税率帯を設けることが一般的です。たとえばドイツは標準19%、軽減7%。イギリスでは生活必需品はゼロ税率です。
これらの国々は、同時に法人税や金融資産課税による財源確保にも注力しており、日本にとって参考になる事例と言えるでしょう。
まとめ:財源論なしに減税は語れない
消費税の廃止・減税は、国民生活に直結する重要なテーマですが、その財源をどうするかの議論が欠かせません。法人税、防衛費、軽減税率など、さまざまな政策手段の組み合わせによって、持続可能で公平な税制を目指す必要があります。
政治的なイデオロギーを超えて、実現可能性に基づいた建設的な議論が求められています。

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