利付国債(2年)の仕組みと収益の見方|初心者向けにわかりやすく解説

資産運用、投資信託、NISA

国債投資は「安全性が高く、利息も得られる資産運用」として人気ですが、利付国債を初めて購入する方にとっては、利子調整額や利回りの意味など、やや難解な点もあります。本記事では、2025年6月に募集されている2年物利付国債を例に、その仕組みや収益計算の考え方をわかりやすく解説していきます。

利付国債の基本構造と投資金額の内訳

利付国債とは、半年ごとに利子(クーポン)が支払われるタイプの国債です。今回の例では、表面利率が年0.8%で、毎年6月1日・12月1日に利子が支払われます。

たとえば、100万円分を購入する場合、支払総額は次のようになります。

  • 債券価格:100円16銭×10,000円=1,001,600円
  • 利子調整額(36日分):789円
  • 合計:1,002,389円

このうち、利子調整額とは「債券の購入日から最初の利払日までの期間に相当する利息を前払いする仕組み」です(詳しくは次項で解説)。

利子調整額とは?36日分の意味と計算方法

利子調整額とは、債券の利払いが年2回(6月1日と12月1日)に行われることに対し、購入タイミングによって公平に利息を配分するための仕組みです。今回は6月4日〜6月25日までが募集期間で、発行日が7月7日なので、購入から初回の利払日(12月1日)までのうち、「利払いが始まってからの36日分(6/1~7/6)」をあらかじめ購入時に支払う形となります。

その後、12月1日には「6/1~11/30」の6か月分の利息(税引前0.4%相当)が支払われ、そこから36日分を差し引いた利息分が実質的な利得となる仕組みです。

応募者利回りと表面利率の違い

表面利率とは、国が支払う利息の額(この場合0.8%)を表し、額面100円あたりの利息として計算されます。一方、「応募者利回り」は実際の購入価格(今回の例では100.16円)や利子調整額も考慮に入れて、投資家が得られる収益率を示します。

つまり、応募者利回り=実質の収益率と捉えてOKです。今回の応募者利回りは0.714%で、税引後は0.552%。これは、2年間で得られるすべての利息と支払い金額の差から導き出された利回りです。

個人向け国債と利付国債のどちらが得か?

個人向け国債(固定3年や変動10年)と利付国債では、「元本保証」「途中解約可」など、性質が異なります。収益面では応募者利回りを比較し、利回りが高い=最終的な手取りが多くなる可能性が高いですが、それは「同じ購入金額・同じ保有期間」という前提があってこそです。

また、個人向け国債の最低利率は0.05%と保障されていますが、市場金利が高い局面では利付国債の方が収益性で勝るケースもあります。

実例で見る:100万円購入時の収益シミュレーション

以下は、実際に100万円分を購入した場合の概算です。

  • 支払総額:1,002,389円
  • 受取総額(税引後利息合計):12,750円
  • 実質利得=12,750円 – 1,600円(価格超過分) – 789円(利子調整額)=10,361円

このように、応募者利回りは「実質的な利得の再確認」にも使える指標です。投資初心者にとっては、金利面だけでなく、取引コストや課税も含めて比較することが大切です。

まとめ:利付国債の利回りや収益構造を理解して活用しよう

利付国債は、安定した収益と高い安全性が魅力ですが、その収益構造には細かいポイントがいくつか存在します。利子調整額、応募者利回り、税引後利回りなどを正しく理解することで、投資判断がより確かなものになります。

特に金利上昇局面では、利付国債の利回りが魅力的になることもあるため、定期的に情報をチェックし、自分の投資目的に合った選択をするようにしましょう。

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