毎日1万円の積立投資は正しい?投資信託ポートフォリオのバランスを見直すポイント

資産運用、投資信託、NISA

投資信託を使った積立投資は、長期的な資産形成において非常に有効な手段です。しかし、選んだ銘柄や配分によって成果に大きな差が出るため、定期的なポートフォリオの見直しが重要です。本記事では、毎日1万円を積立てている投資信託の構成例をもとに、その妥当性や見直すべき観点を解説します。

積立投資の基本:分散と長期投資がカギ

投資信託による積立は、主に「長期・積立・分散」を基本原則とします。毎日少額を継続的に積み立てることで、価格変動リスクを抑えつつ、時間を味方に資産を増やすことができます。

分散投資は特に重要で、地域(国内・先進国・新興国)、資産クラス(株式・債券・コモディティ)に分けることで、リスクを低減できます。

例としてのポートフォリオ構成を確認

今回のポートフォリオ構成は以下のようになっています。

  • ピクテ ポラリス:3,500円
  • ピクテ 新興国ポラリス:3,500円
  • SBI サクッと純金ヘッジあり:2,000円
  • キャピタル 世界株式ファンドDC:1,000円
  • 日興 年金積立Jグロース:1,000円
  • 三井住友DS 大和住銀DC国内株式ファンド:1,000円

合計で毎日1万円、年間で約365万円という比較的大きな積立です。国内外の株式、新興国、コモディティ(金)への投資が見られ、一定の分散がなされています。

改善のポイント1:新興国への比率が高すぎる?

ピクテの2ファンドで7,000円(全体の70%)が集中しており、そのうち半分が新興国です。新興国はリターンが大きい反面、政治・通貨・市場のボラティリティも高いため、配分としてはややリスク過多かもしれません。

【改善案】先進国株や全世界株に広く分散された低コストのインデックスファンドを組み込むことで、より安定した運用が期待できます。

改善のポイント2:純金ファンドの位置づけ

「SBI サクッと純金ヘッジあり」に2,000円を積立てている点は、インフレヘッジとして有効です。しかし、金は収益を生まない資産なので、あくまでリスク分散の一環と捉えるべきです。

例えば、 株式市場が大きく下落した際に金価格が上昇することがあります。逆に、市場が好調な時は金のパフォーマンスは期待しづらいこともあります。

改善のポイント3:コストの確認

アクティブファンド(例:ピクテ、キャピタル)は運用成績が指数に勝てないケースも多く、信託報酬が1.0〜2.0%と高めである点に注意が必要です。

可能であれば、日経マネーなどのファンド比較ツールで手数料やパフォーマンスを確認し、インデックスファンドへの一部見直しも検討しましょう。

改善のポイント4:目的に応じたリバランス

積立投資は「なぜ投資しているか」によって適切なリスクの取り方が変わります。5年後に使う予定のお金なのか、20年後の老後資金なのかで、選ぶべきファンドや配分が変わります。

定期的にポートフォリオを見直し、資産配分が崩れていないかチェックする「リバランス」を行うことが大切です。

まとめ:分散はできているが、新興国比率と手数料に注意

今回のポートフォリオは、一定の分散はできているものの、新興国株式への偏重とアクティブファンド中心によるコスト面の懸念があります。積立投資は「続けること」が成功のカギですが、その上で「正しい配分」にも意識を向けていきましょう。

アドバイス:コスト・リスクの低いインデックスファンドを組み入れ、年1回のポートフォリオ見直しを習慣化すると、より堅実な資産形成が可能になります。

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