「相場はトレンド→レンジ→トレンドの繰り返し」——この言葉を聞いたことのある方は多いでしょう。確かにチャートを見ればそのように動いているように見えますが、実際のトレードではその“教科書どおり”に利益を上げるのは簡単ではありません。本記事では、相場の本質的な構造と、それに振り回されないための実践的なアプローチについて掘り下げます。
相場の基本構造:「トレンドとレンジ」は真実か
多くのトレーダーが信じるように、相場は確かに「トレンド→レンジ→トレンド」というパターンで動く傾向があります。トレンドとは方向性を持った価格の動きであり、レンジとは方向感を失って上下に揺れる局面です。
しかし、問題はこの「トレンドかレンジか」がリアルタイムでは非常に判別しにくいということです。多くのトレーダーがエントリー後に「やっぱりレンジだった」と気づき、損切りやストレスに見舞われます。
損切りの幅とリスクリワードの葛藤
「損切りを広くすればノイズに振られず生き残れる」と考える人も多いですが、その場合、当然リスクリワード比が悪化します。たとえば、損切りを50pipsに設定して利確目標が30pipsでは、勝率がかなり高くないとトータルで負ける構造になります。
反対に損切りを狭くしても、狩られてからの順行(ノイズでやられて本命で取り逃がす)に悩まされることも多々あります。
利益を伸ばす難しさと「反転」の恐怖
トレンドが出ている時に「もう少し伸ばしたい」と思うのは自然です。しかし、相場は思いのほか早く反転します。トレーリングストップを入れても、急な反発に刈られたりと、理想通りに利を伸ばすのは至難の業です。
具体的な例として、2020年の米ドル/円の上昇トレンドでは、トレンドが継続すると見たトレーダーの多くが押し目を拾いきれず、また高値更新狙いで利確を逃して逆行で損切りとなったケースが見られました。
実践的な対処法:環境認識と戦略の分離
トレンドとレンジを事前に完璧に見分けるのは不可能ですが、「相場のボラティリティ」や「出来高」、「過去の支持・抵抗」を観察することで、ある程度のシナリオを描くことは可能です。
例えば、ボリンジャーバンドが収縮している状態はレンジの可能性が高く、エクスパンションし始めたらトレンドへの移行を警戒するタイミングです。戦略的には、「ブレイクアウト戦略」と「レンジ逆張り戦略」を明確に分けておくことが重要です。
ポジションサイズと資金管理の最適化
損切り幅や利確幅でリスクリワードが悪化するなら、ポジションサイズを調整するという選択肢も有効です。損切り50pipsでもリスク額を一定にすれば、期待値は保てます。
また、分割エントリー・分割決済も有効です。最初の利確で利益を確保し、残りを伸ばすことで「反転喰らいのストレス」を軽減できます。
結論:上手くいかないのが前提、だからこそルールと仕組みが必要
相場は上手くいかないのが前提で設計されています。全戦全勝などあり得ません。だからこそ、損失を限定し、利益を引き伸ばせる仕組みを自分で構築する必要があります。
トレンドやレンジに完璧に対応できる聖杯は存在しませんが、環境認識と戦略の分離、リスク管理の徹底、そして一貫したトレードルールの実行が、継続して利益を残すための唯一の道といえるでしょう。
まとめ:相場の構造に振り回されないトレードを目指す
「そう上手くはいかない」と思う気持ちは、多くのトレーダーが抱える共通の悩みです。しかし、その感覚は決して間違っておらず、それを前提にした戦略設計こそが成功への鍵です。現実を受け入れ、構造的に利益を残せる仕組みを自分の中に築くことが、相場と付き合い続ける唯一の方法なのです。

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