抵抗帯が重なるからといって“鉄板エントリー”とは限らない理由|トレンド相場で押し目・戻りを見極める実践的アプローチ

外国為替、FX

トレンド相場における「押し目買い」や「戻り売り」は、多くのトレーダーが狙う王道のエントリーポイントです。中でも“複数の抵抗(サポート・レジスタンス)が重なっているポイント”は、一般的に「強力な反発ポイント」と考えられがちです。しかし実際には、そのようなポイントでも普通に負けるケースは珍しくありません。この記事では、なぜ抵抗帯が重なっていても“鉄板”とは言えないのか、そしてどう環境認識し、確率の高いエントリーを狙うべきかを解説します。

抵抗が複数重なっている=「勝率が高い」とは限らない

トレンドの押し目・戻りにおいて、フィボナッチリトレースメント、過去の水平線、MA、トレンドラインなど複数のテクニカルが交差する“コンフルエンスゾーン”は、確かに注目されやすいゾーンです。

しかし、複数の抵抗が重なっている=確実に反発するというわけではありません。相場は生き物であり、ニュースやファンダメンタルズ、出来高の変化、オーダーブックの偏りなど、テクニカルでは把握できない要因で容易にブレイクされることもあります。

実例:複数の抵抗が効かずに損切りになったケース

たとえばUSD/JPYの4時間足で、フィボナッチ61.8%、200EMA、前回高値、チャネル上限が重なるレベルで戻り売りエントリーしたトレーダーがいたとします。通常であれば反発が期待されるポイントです。

しかし、FOMC直後のサプライズ声明でリスクオンの流れが発生し、ローソク足は一気にその抵抗帯を突き抜けて損切り。「複数の根拠があるから勝てる」という思い込みが裏目に出た典型です。

相場に「絶対」はない。むしろ“効かない可能性”も織り込む

環境認識をする際には「このゾーンが効かなかった場合どう動くか」というシナリオも同時に用意することが重要です。つまり、“効かないかもしれない”前提のリスク管理をする必要があります。

具体的には、損切り位置を明確に設定し、ロット調整を徹底し、想定を超えた場合の逃げ道を持っておくことです。根拠が多くても、その根拠が“古い情報”であれば無効化されることもあります。

勝てる確率を上げるためのコンフルエンスの使い方

複数の抵抗帯をエントリーの根拠に使う際には、「それぞれの根拠の“鮮度”と“市場の注目度”」に注意しましょう。

  • 直近の高値・安値と重なっているか
  • 機関投資家が意識する200EMA/MAとの関係
  • ファンダメンタルの方向性と整合性があるか

また、1時間足で効いたラインより、4時間足・日足レベルで機能しているラインの方が信頼性は高いです。根拠の“質”と“重なり方”が重要です。

自信のあるセットアップでも常に損切り前提で動く

トレードにおいて、「これは鉄板だ」と思った瞬間ほど危険です。どれだけ根拠が重なっても、エントリーしたら“必ず損切り位置を決めておく”というルールを徹底するべきです。

むしろ、コンフルエンスゾーンで逆行して損切りになることが多いと感じている場合は、“そこを抜けた後に乗る”逆張り回避の順張り戦略を採用するのも有効です。

まとめ:複数抵抗は武器になるが、過信は禁物

トレンド中の押し戻りにおいて、複数の抵抗が重なるポイントは有効な判断材料の一つですが、それだけに依存して勝てる相場ではありません。環境認識、リスク管理、ファンダメンタルとの整合性まで含めて考えた上で、総合的に優位性を見極める必要があります。

鉄板パターンと思えるセットアップでも「普通に負ける」ことはある──だからこそ、プロは常に“負けを想定した戦略”を取っているのです。

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