個人向け国債には主に「変動10年」と「固定5年」という2つのタイプがあります。一見すると、利率が固定されて将来の利息が確定している「固定5年」のほうが安心に感じる方も多いでしょう。しかし実際には、個人投資家の間では「変動10年」のほうが圧倒的に人気を集めています。その理由について詳しく見ていきましょう。
変動10年の基本的な仕組み
「変動10年」は、半年ごとに金利が見直される国債です。基準となるのは長期金利(10年物国債の利回り)であり、これに応じて利率が上下します。
最低金利は年0.05%に保証されているため、仮に市場金利が下がった場合でも、一定の利息は確保されるという安心感もあります。
金利上昇局面では「変動」が有利に働く
現在のように将来的な金利上昇が見込まれる局面では、「変動10年」の魅力が際立ちます。固定5年では発行時の金利がずっと適用されるため、途中で金利が上昇しても恩恵を受けられません。
一方、「変動10年」なら金利が上がれば半年ごとにその分利率も上がり、インフレや金利上昇リスクに強い資産運用が可能になります。
実際の金利差と受取利息の比較
たとえば、2024年時点の金利で見ると、固定5年が年0.05%、変動10年が年0.30%前後というケースも珍しくありません。この段階で既に利率に差がある上、将来的な金利上昇でさらに差が広がる可能性があります。
10年という長期で安定的に利息を得ながら、上昇にも対応できるという点が、「変動10年」の最大の強みです。
中途換金の柔軟性もポイント
どちらの国債も1年経過すれば中途換金が可能ですが、「変動10年」はその後も半年ごとに利率が変わるため、運用継続中にも柔軟に出口戦略を考えやすいというメリットがあります。
換金時には直前2回分の利息相当額が差し引かれるペナルティがありますが、元本保証と合わせて、リスクを最小限に抑えた運用が可能です。
なぜ「固定5年」は選ばれにくいのか
固定5年は発行時点で利率が決まっており、たとえば金利が年0.05%であれば、それが5年間変わることはありません。低金利の時期に購入すると、そのまま低い利回りで5年を過ごすリスクを抱えることになります。
加えて、現在は短期金利よりも長期金利のほうが上昇する傾向にあり、その意味でも「固定5年」の魅力は相対的に低下しています。
まとめ:将来性を見据えた「変動10年」の選択
以上のように、現在の低金利環境や将来的な金利動向を踏まえると、「変動10年」の方が総合的にメリットが大きいと評価されるのは自然な流れです。
金利上昇時の恩恵を受けやすく、元本保証付きで安心して長期運用ができる点が、個人投資家のニーズと合致しているといえるでしょう。
今後の金利動向を注視しつつ、資産運用の選択肢として「変動10年国債」を検討してみる価値は十分にあります。

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