経済ニュースや教科書でよく目にする「名目成長率」と「実質成長率」。この2つを比較することで、ある年に物価が上がったのか下がったのか、つまり「インフレ」か「デフレ」かを見極めるヒントになります。この記事では、名目成長率と実質成長率の違いから物価の変化を見抜く方法を、わかりやすく解説します。
名目経済成長率と実質経済成長率の違いとは?
名目経済成長率とは、物価の変動を考慮せずに経済全体の規模(GDP)の変化を表すものです。対して実質経済成長率は、物価変動の影響を除いた「本当の経済成長」を示します。
この違いを知ることで、「経済がどれくらい実際に豊かになったのか」や「物価が上昇したのか否か」が見えてきます。
インフレ率(物価上昇率)の求め方
インフレ率は、次の式でおおまかに算出できます。
インフレ率 = 名目経済成長率 − 実質経済成長率
この式を使えば、名目と実質の差から、その年の物価の変動傾向がわかります。
実例で理解:名目+2%、実質0%のケース
たとえば次のようなケースを考えてみましょう。
- 名目経済成長率:+2%
- 実質経済成長率:0%
この場合、2%(名目)− 0%(実質)= +2%
ですから、物価は2%上昇している=インフレが発生していると読み取れます。
つまり、物価は前年に比べて「上がった」と言えます。
インフレの影響とは?生活や投資への影響もチェック
インフレが起きると、同じ給料でも買える物の量が減り、生活コストが上がることになります。たとえば、去年は1,000円で買えていた食材が今年は1,020円になっているといった具合です。
一方で、企業の売上も増えやすくなるため、株価にはプラス材料になることもあります。ただし、それは賃金上昇や物価とのバランスが取れている場合に限られます。
逆に名目<実質ならどうなる?
もし名目経済成長率が−1%、実質成長率が+1%であれば、インフレ率は−2%となり、これは物価が下がっている=デフレを意味します。
このように、名目と実質の差を見れば、インフレ・デフレの判断材料になります。
まとめ:名目と実質の「差」に注目しよう
名目経済成長率が+2%、実質成長率が0%なら、インフレ率は+2%。つまりその年は物価が2%上がっていた=インフレ傾向にあったことを意味します。
今後、経済ニュースを見たときは、名目と実質の差に注目して、物価の動きを読み取る力を養っていきましょう。

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