金（ゴールド）は世界中で価値の裏付けとされてきた歴史的な「実物資産」の代表格です。しかし現代では、実際に金の延べ棒を手元に持つのではなく、ゴールドファンドなどの金融商品を通じて金に投資するスタイルも一般化しています。では、こうした投資手段は「実物資産」を保有していることになるのでしょうか？この記事では、その違いや考え方について詳しく解説します。
実物資産とは何か？
実物資産とは、土地・建物・金・プラチナなど、物理的な形が存在する資産のことを指します。これに対して株式・債券・投資信託などは金融資産と呼ばれ、紙や電子的な記録によってその価値が管理されます。
金そのものを自分の手元に保管していれば、それはまさに「実物資産」を持っていることになります。しかし、ゴールドファンドを通じた投資は、この定義にややズレが生じます。
ゴールドファンドとは？
ゴールドファンドには主に2種類あります。一つは金価格に連動したETF（上場投資信託）や投資信託、もう一つは実際に金を保有してそれに裏付けされたファンドです。
前者は金の価格変動を反映しますが、必ずしも裏で実物の金が保管されているわけではありません。後者は、信託会社や保管機関が金を預かっており、実物に裏付けられた投資が行われます。
実物に裏付けられたファンドの例
例えばSPDRゴールド・シェア（GLD）は、金の現物を裏付けに持つETFであり、保有している金の量が公開されています。こうしたファンドに投資している場合、「間接的に」実物資産を保有しているという表現が適切です。
一方、純粋な金価格連動型の投資信託などでは、実物金の保有がない場合もあり、「価格の動きに賭けている金融資産」という性格が強くなります。
「実物資産」なのか「金融資産」なのかの線引き
ゴールドファンドは多くの場合、金融資産に分類されます。なぜなら、投資家自身が金の現物を直接保有・管理していないからです。
しかし、そのファンドの中身が現物金に裏付けられている場合、「擬似的な実物資産」として扱われることもあります。つまり「実物資産に投資している金融商品」と理解するのが正確でしょう。
どのような人がゴールドファンドを選ぶべきか？
金をリスクヘッジやインフレ対策として資産の一部に組み入れたいが、延べ棒を自宅で保管したくない、という方にはゴールドファンドは合理的な選択肢です。セキュリティや保管コスト、売却の容易さといった面でも優れています。
一方で「有事の際の保全資産」として物理的な金を所有したいという場合には、純金積立や地金の購入といった手段を検討すべきです。
まとめ：ゴールドファンドの位置づけを正しく理解する
ゴールドファンドはあくまでも「金融商品」であり、実物資産を直接保有しているわけではありません。しかし、現物に裏付けられた商品であれば、「間接的に実物資産に投資している」と言うこともできます。
投資対象としての金にどのような期待を抱くかにより、ファンドを通じた投資か、実物保有かの選択が分かれます。自分の投資目的に合った形で、正しい資産形成を目指していきましょう。
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