為替相場は、経済指標だけでなく、世界の地政学的な緊張や戦争リスクにも大きく左右される特徴があります。特にFX取引においては、突発的なニュースがチャートを大きく動かすことがあるため、初心者トレーダーにとっては注意が必要です。
地政学リスクとは何か?
地政学リスクとは、戦争やテロ、政情不安など、国際的な緊張状態が市場に与える影響を指します。代表的な例には中東情勢、ロシア・ウクライナ紛争、北朝鮮の核問題などがあり、いずれもマーケットに対してリスク回避の動きを促します。
投資家はこうした不確実性を嫌い、株や為替などリスク資産から資金を引き揚げ、安全資産とされる通貨や債券、金(ゴールド)に資金を移します。
ドル円と地政学リスクの関係
地政学リスクが高まると、多くの場合は「リスクオフ」の流れが起こり、円が買われる傾向にあります。これは円が「安全通貨」とみなされるためです。よって、通常は円高(ドル安)方向に動くことが多いです。
ただし、地政学リスクの内容や市場のセンチメントによっては逆にドルが買われることもあります。特にアメリカが関係する軍事的対応が強く意識された場合、ドルが安全資産として選好されることもあるため一概には言えません。
なぜ144円に戻ったのか?2024年6月13日の背景
この日にドル円が144円台まで回復した背景には、いくつかの要因が複合的に絡んでいます。まず一つ目はアメリカの経済指標が市場予想より強く、FRBによる利上げ観測が高まったことです。これによりドル買い圧力が強まりました。
次に、イランとイスラエルの緊張は報道されたものの、軍事的エスカレーションが抑えられており、リスク回避が一時的に和らいだと市場が判断したことも影響しています。さらに、日本側での大きな材料がなかったことも、ドル買い・円売りの流れに拍車をかけました。
初心者が知っておくべきポイント
FXでは突発的な地政学リスクにより大きく相場が動くため、ポジションの持ち越しには慎重になるべきです。特に週末をまたぐ場合は、土日に何か起こった場合でも相場が動いてしまうため、月曜朝に大きなギャップを伴うことがあります。
また、ニュースの解釈が為替相場にどう反映されるかは初心者には読みにくい部分も多く、損切りを決断するタイミングも含めて戦略的に判断することが求められます。
具体例:戦争と為替の過去の動き
過去の事例として、ロシアによるウクライナ侵攻時(2022年2月)、初動では円が買われましたが、その後はエネルギー価格の高騰やアメリカの金融政策によりドル高が進行しました。このように、初期反応とその後の展開が異なる場合も多くあります。
また、イスラエルとパレスチナの衝突が激化した2023年10月頃も、一時的に円高が進行しましたが、すぐに相場は落ち着き、元の水準に戻るケースも見られました。
まとめ:リスクイベントと向き合うFX戦略
FX取引では、地政学的リスクが為替相場にどう影響するのかを把握することが重要です。ドル円の場合は一般的にリスクが高まると円高に振れやすいですが、状況によってはドル買いに振れることもあります。
初心者の方は特に、リスクイベントの有無を常にチェックし、ポジション管理を徹底しましょう。また、経済指標カレンダーや地政学的ニュースの定期的な確認も、トレード成績を安定させるためには欠かせません。

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