投資信託の売却と買い直しは得か損か?基準価額と平均取得価格の関係をわかりやすく解説

資産運用、投資信託、NISA

積立投資をしていると、「利確」や「相場の下落時に買い直すべきか」といったタイミングの悩みに直面することがあります。特に、いったん売却した後に再び同じ銘柄を買い直す行為が、得になるのか損になるのかを判断するには、基準価額と平均取得価格の理解が必要です。この記事では、投資信託の買い直し時に起こりうる損益の仕組みをわかりやすく解説します。

基準価額と平均取得価格の違いを理解しよう

投資信託の基準価額とは、ファンド1口あたりの価格を示し、日々変動します。平均取得価格は、自分が積立を通じて取得してきた価格の平均値です。この2つは混同しやすいですが、投資判断においては明確に区別する必要があります。

たとえば、10,000円で100口、8,000円で100口購入していれば、平均取得価格は9,000円です。売却すれば、その時点での基準価額との比較で損益が決まります。

利確後の買い直しが意味するもの

一度売却して利益を確定し、下落を見計らって再購入する戦略は、うまくいけば高値売却・安値購入の理想的な結果になります。しかし、再購入のタイミングが難しく、結果的に前より高い基準価額で買い戻してしまうことも少なくありません。

たとえば、12,000円で売却し、再び12,500円で買い戻した場合、当初より損をしているように見えるかもしれませんが、利確時に得た利益を含めてトータルで判断する必要があります。

税金と手数料の影響も無視できない

売却によって利益が出れば譲渡益課税(約20.315%)が発生します。たとえば、20万円の利益なら約4万円が税金として差し引かれます。また、再購入時に手数料がかかる商品であれば、これも実質的なコストです。

よって、「利確+再購入」は一見得に見えても、税金と手数料で差し引き損になるケースもあります。

長期投資における「売らない選択肢」

積立投資の本質は「長期・分散・継続」にあります。短期的な値動きに反応して売買を繰り返すと、タイミング投資に失敗するリスクが高まり、本来の目的である資産形成に支障をきたす可能性があります。

事実、多くの金融アドバイザーは「市場に居続けること」が最大のリターンを生むと述べています。仮に一時的に含み益が消えても、長期目線で見れば回復する可能性は高いという考え方です。

再投資が得か損かの判断基準

売却後の再投資が得になるかどうかは、以下の要素を総合的に判断する必要があります。

  • 売却時の利益と課税額
  • 再購入時の基準価額
  • 再投資後の運用期間とリターンの見込み
  • 手数料の有無

単に「平均取得価格より高く買い直した」=損、というわけではなく、“トータルでの利益”を見極める視点が重要です。

まとめ:一時的な価格より「投資全体の収支」を見る目を

投資信託の売却と買い直しをどう判断するかは、取得価格だけでなく、税金、再購入価格、運用期間など総合的な視点が求められます。「一時的に損したように見える」ケースでも、トータルではプラスになることも多いため、感情的にならず冷静に判断しましょう。

目先の価格に左右されず、長期的な資産形成の視点を持つことが、堅実な運用の鍵となります。

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