株式投資において「取得単価」は損益の判断や税務処理に直結する重要な指標です。しかし、売却後に同じ銘柄を再度買い戻した際、その取得単価がどう更新されるか疑問に思う人も多いのではないでしょうか。特に同一日に売買を繰り返した場合、「なぜ新しい単価だけが反映されるのか」「過去の単価は考慮されないのか」といった疑問が生まれやすいポイントです。この記事では、株式の取得単価の仕組みや証券会社における反映方法について、実例を交えてわかりやすく解説します。
そもそも取得単価とは?
取得単価(平均取得単価)とは、保有する株式の1株あたりの購入価格を意味します。複数回にわたって購入した場合は、購入数量と価格に応じて加重平均されます。
例:100株を100円で購入し、その後200株を150円で追加購入した場合、平均取得単価は次のようになります。
(100×100+200×150)÷(100+200)=133.33円
売却した後に同日に買い戻した場合の単価
株を売却して持ち株が「ゼロ」になったあと、再び同じ銘柄を買い戻した場合、新たな取得として記録されるのが一般的です。
たとえば、80円で購入→120円で全株売却→150円で再度購入したケースでは、80円の株は売却によって保有がゼロとなっており、150円での購入は新規取得と見なされます。このため、取得単価は150円となるのが正当な表示です。
PTS取引(私設取引システム)でも同じ仕組みが適用される
PTS(私設取引システム)での現物取引でも、取得単価の管理方法は通常の東証取引と同様です。松井証券をはじめとする大手証券会社では、売却により保有残高がゼロになった場合、過去の購入価格はリセットされる運用がされています。
そのため、80円で購入した履歴があっても、それが売却された時点で「いったん終了」となり、その後の買い戻し(150円)は新たな単価として再計算されます。
平均取得単価が変動する場合と変動しない場合の違い
取得単価が変動するのは、以下のように「保有株が残っている状態で追加購入した場合」です。
- 例1:100株を80円で購入し、そのまま保有中に150円で100株追加購入→平均取得単価は115円に変動
- 例2:一度全株を売却し、再度買い戻す→新規取得として単価は150円(過去の影響なし)
このルールは証券口座のポートフォリオ管理や税務計算においても一貫しており、納税時の譲渡益計算にも使われます。
証券会社によっては表示タイミングにズレもある
中には、一時的に古い取得単価が表示されたままになるケースもありますが、それは内部処理が完了していないだけです。取引日の夜間~翌営業日までには更新されるのが一般的です。
気になる場合は、証券会社のカスタマーサポートに問い合わせることで、正確な取得単価の履歴や税務処理の状況を確認することができます。
まとめ:取得単価は保有ゼロでリセットされるのが原則
株の取得単価は「現在保有している株の平均値」であり、売却によって持ち株がゼロになった時点で、過去の価格はリセットされます。再び買い戻した場合、それは新しい取得として扱われるため、単価が150円で表示されるのは正常な仕様です。
複数回にわたる売買を行う際は、取得単価の変動と税務上の影響を把握しておくことが、投資管理の上でも重要です。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント