「ウォーレン・バフェットの投資成績は年率20%」という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。これは実際のところ、彼の会社であるバークシャー・ハサウェイの企業収益を指しているのか、それとも株価のリターンなのか気になる方もいるかもしれません。本記事ではその違いと意味をわかりやすく整理して解説します。
バフェットの年率20%はバークシャー株のリターン
一般に「バフェットの年率20%」と呼ばれる数字は、バークシャー・ハサウェイの株主総会などで公表されている株価の年間複利成長率を指しています。これは、彼が同社を率いる1965年から現在までの株価の平均リターンであり、年平均で約19〜20%のリターンを維持してきたという実績に基づいています。
たとえば、1965年から2023年までの約58年間のバークシャーのB株のリターンは、S&P500を大きく上回る結果を残しています。これは企業価値の成長だけでなく、バフェットの長期投資哲学とリスク管理の賜物です。
企業収益(EPS成長率)とは異なる指標
一方で、バークシャー・ハサウェイという会社の純利益や1株あたり利益(EPS)の成長率とは必ずしも一致しません。株価は利益だけでなく、市場からの期待値や将来見通し、時には金利や景気動向など複合的な要因で動きます。
したがって、「年率20%」は必ずしも企業収益の上昇をそのまま反映しているわけではない点に注意が必要です。バフェット自身も、企業の内在価値の増加と株価の乖離をよく指摘しています。
具体的な例:初期投資のリターン
例えば、1965年にバークシャー株を1万ドル分購入していた場合、2023年にはそれが約3億ドル近くに成長していたという計算が成り立ちます(実際には分割等も考慮が必要ですが)。これが20%近い複利成長のインパクトです。
このリターンは、個人投資家にとって非常に魅力的であり、バフェットが長年にわたり「価値ある企業を安く買い、長く持つ」戦略で結果を出してきたことの証といえるでしょう。
バークシャー・ハサウェイの事業収益と投資収益
バークシャー・ハサウェイは単なる投資会社ではなく、多くの事業会社を子会社として持っています。保険業(GEICO)、鉄道(BNSF)、エネルギー(Berkshire Hathaway Energy)などがあり、安定的なキャッシュフローを生むビジネス基盤を持っています。
さらに、アップルやアメリカン・エキスプレスといった有名企業への株式投資からのリターンも大きな収益源です。これらの2本柱がバークシャーの企業価値と株価の成長を支えているのです。
まとめ:投資リターンと企業利益は別の尺度
バフェットの「年率20%のリターン」は、バークシャー・ハサウェイの株価の長期的な複利成長を表した数字です。これは企業の内部利益(収益)とは別物であり、投資家としてのリターンの実績として理解するのが適切です。
長期投資や複利の力を学ぶ上で、このような視点を持つことはとても重要です。株式投資のリターンは必ずしも企業収益だけで決まるわけではない、という点をぜひ押さえておきましょう。

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