資産1億2000万円で27歳。FIREは可能?早期リタイアを考えるための現実的な視点

資産運用、投資信託、NISA

20代で1億円超の資産を持つというのは、非常に稀なケースです。FIRE(Financial Independence, Retire Early)を目指すうえでは大きなアドバンテージとなりますが、それでも「一生働かずに生きていけるか?」は慎重に考えるべき重要な問いです。本記事では、FIREを実行する前に確認すべきポイントやリスク、考え方について解説します。

FIREの基本:何にいくらかかるか?

FIREを目指すには、自分がどんな生活を送りたいかを明確にし、それに必要な年間支出を把握することが出発点です。仮に年間生活費が250万円とすると、4%ルールに従えば6,250万円の資産があれば理論上はリタイア可能とされます。

1億2000万円という資産があれば、年間480万円までの支出であれば、理論上は資産運用だけで暮らすことが可能ということになります。ですが、ここにはインフレや医療費、税制の変更など想定外のリスクも含まれているため、過信は禁物です。

FIRE達成の目安とポートフォリオの考え方

FIREには、生活費に応じた「生活FIRE」、ある程度の贅沢も可能な「ゆとりFIRE」、完全リタイアの「完全FIRE」などがあります。資産1億2000万円は、ゆとりFIREと完全FIREの中間に位置するレベルです。

この資産を維持し増やすには、株式・債券・現金・金などへの分散投資が基本です。現時点で個別株に偏っている場合、インデックス投資や債券、現金の保有比率も見直すことで、安定性を高められます。

精神的側面と「逃げのFIRE」のリスク

FIREには「ポジティブな動機」が非常に大切です。もし今の職場が合わず「辛いから逃げたい」と考えてFIREする場合、その後の人生に空虚感を感じる人も少なくありません。目的を持たないFIREは、むしろメンタル不調のリスクを高める恐れもあります。

FIRE後の生活を「何のために生きるのか」「社会との関わりをどう維持するか」を考えておくことが大切です。ボランティア活動や趣味の深化、副業などの居場所を作ることが、持続可能なFIRE生活のカギとなります。

実例:FIRE実行者の体験とその後

30代で1億円以上を築きFIREした人の例では、最初の1〜2年は「夢のような自由」を満喫しますが、3年目以降に「何のために生きているのか」と悩み始めるケースもあります。結局、ゆるく働く“サイドFIRE”に切り替える人が多いです。

また、完全リタイアよりも、週に数時間だけ働く・スキルシェアするなど、柔軟な働き方を採用している人の方が長期的な満足度が高いという調査結果もあります。

今すぐ実行する前にやっておくべき準備

  • 生活費の明確化と「見える化」
  • ポートフォリオの見直し(現金・安全資産の比率UP)
  • FIRE後の「人生設計」シナリオ作成
  • 公的保険や年金制度の理解と加入確認

これらの準備を通じて、「ただ辞めたい」から「こう生きたい」へとFIREの質を上げることができます。

まとめ:1億2000万円でFIREは可能か

結論として、1億2000万円の資産があればFIREは現実的に可能です。しかし、重要なのは資産額以上に「どんな暮らしを望み」「その暮らしをどう支え続けるか」のビジョンです。

まずは試しに「プチFIRE」や「セミリタイア生活」をシミュレーションしてみるのもおすすめです。人生の自由度が広がるからこそ、自分自身と向き合う時間を大切にしましょう。

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