地政学リスクや米国経済の不透明感を背景に、ポートフォリオのディフェンス強化として「ゴールド積立」を検討する投資家が増えています。本記事では、為替ヘッジの有無による違いや、金投資の手段別の特徴について初心者にもわかりやすく解説します。
なぜ今ゴールドへの分散が注目されているのか
金(ゴールド)は株式や債券と異なる値動きをする資産であり、市場が混乱する場面では「安全資産」として買われる傾向があります。近年ではインフレ懸念や米中対立、地政学的な緊張によりゴールドの価格が上昇する場面も多く、分散投資先としての価値が見直されています。
特に米ドルに対して資産の偏りがある場合、ドルとは逆の動きをしやすいゴールドを加えることでリスク分散の効果が期待できます。
ゴールド積立における為替ヘッジの考え方
ゴールド価格は通常、米ドル建てで取引されます。日本円で購入する場合、為替レートの変動もパフォーマンスに影響を与えます。為替ヘッジありを選ぶと為替リスクを排除できますが、その分ヘッジコスト(手数料や金利差)が発生し、長期投資では利回りを押し下げる可能性があります。
逆に、為替ヘッジなしならドル円相場に影響を受けますが、円安局面では金価格が押し上げられる可能性もあります。長期的に見ればヘッジなしの方が実質リターンが高いケースも多く、分散投資目的であれば「ヘッジなし」が好まれる傾向にあります。
ゴールド投資の手段:どれを選ぶべきか?
- 純金積立:証券会社や地金商を通じて毎月一定額を積み立てる方式。少額から始めやすく、現物引き出しも可能なサービスが多い。
- 金ETF:市場で売買可能な上場投資信託。流動性が高く、売買手数料も比較的安価。ただし現物引き出しは不可。
- 金地金(現物):金そのものを保有。価値の安定性が高いが、保管や売買の手間、盗難リスクもある。
- 金連動型投資信託:少額投資や積立が可能。為替ヘッジの有無を選べる商品も多数。
たとえば、SBI証券や楽天証券では「金・プラチナ積立」サービスを提供しており、毎月1,000円から始められます。現物にこだわるなら田中貴金属などの地金商を利用する選択肢もあります。
逆相関性を活かしたポートフォリオ設計
ゴールドは株式や債券とは異なる動きをすることが多く、市場が大きく下落する局面で資産全体の値下がりを緩和する役割を果たします。これは逆相関性と呼ばれる特徴で、分散効果を高める鍵となります。
例えば、S&P500が暴落した2020年3月、ゴールドは比較的安定しており、リスクオフ局面での価値保存資産として注目されました。
よくある疑問:ゴールドETFや投信は「意味がない」?
「現物でなければ意味がない」という意見もありますが、必ずしもそうではありません。長期投資で値動きを享受するだけなら、金連動型ETFや投信でも十分にゴールドのメリットを享受できます。現物が必要になるのは、有事における資産保全やコレクション的価値を重視する場合に限られます。
分散投資の一環として「価格連動」に着目するなら、手軽で流動性の高いETFや投信でも十分有効です。
まとめ:目的に応じた選択が大切
ゴールド投資を検討する際は、何を目的とするかが最も重要です。為替リスクを回避したいなら「ヘッジあり」、逆相関によるリターン拡大を狙うなら「ヘッジなし」がおすすめです。
また、現物にこだわる必要がなければ、ETFや投資信託の活用で手軽に分散投資が可能です。自身の投資スタイルやリスク許容度に合わせて、最適なゴールド投資を選びましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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