信託報酬0.03%の差は15年でいくら?積立1000万円で見えるコストのリアル

資産運用、投資信託、NISA

投資信託を選ぶ際、信託報酬のわずかな差にどの程度の意味があるのか疑問に思う方は多いでしょう。たとえば信託報酬0.03%の違いは、15年間の積立でどの程度の差額を生むのでしょうか。この記事では、シミュレーションを交えながらその実態を解説します。

信託報酬とは?投資家にとってのコスト

信託報酬とは、投資信託を保有している間にかかる運用管理費用で、毎日少しずつ資産から自動で差し引かれるコストです。

この報酬は、ファンドの運用会社や販売会社、信託銀行に分配されるため、投資家の資産形成に直接的な影響を与えます。特に長期投資においては、年0.01%単位の差が無視できないインパクトを持つのです。

信託報酬0.03%の差が生む金額の違い

たとえば、年利5%で毎月約5.5万円を15年間積み立てて合計1000万円になるケースを想定し、信託報酬0.10%と0.13%のファンドで比較してみましょう。

0.10%のファンド:最終積立額:約1,507万円
0.13%のファンド:最終積立額:約1,502万円

→差額:約5万円程度となります。

これは単なる報酬差の積み重ねによる結果であり、運用成績やタイミングに影響されず、確実に差が出るコストです。

信託報酬の差を軽視してはいけない理由

「たった数万円の違いなら気にしない」と思うかもしれませんが、信託報酬の差は毎年確実に発生するコストであり、年数が長くなるほど累積インパクトが大きくなります。

また、これが20年・30年と続けば、差額は数十万円に達する可能性もあり、複利の恩恵を損なう原因となります。

低コストファンドを選ぶべき投資スタイルとは

特に「つみたてNISA」や「新NISA成長投資枠」で15年以上の長期投資を目指す場合、信託報酬の低さは極めて重要です。

eMAXIS SlimシリーズやSBI・Vシリーズのように、業界最低水準の信託報酬を目指すファンドは、長期投資家にとって魅力的な選択肢です。

0.03%以上の差が生む影響と注意点

最近では、同じインデックスに連動するファンドでも信託報酬に0.05%〜0.1%の差があることもあります。

運用実績(トラッキングエラー)や受益者数、純資産残高も加味しつつ、コスト面での合理的な選択を心がけましょう。

まとめ

信託報酬0.03%の違いでも、15年・1000万円規模の積立では確実に数万円の差が出ます。

このコストは避けられない分、最初から低コストファンドを選ぶことが最も効率的です。長期投資を前提とするなら、信託報酬は「たった0.03%」ではなく「確実な差」と捉えることが、賢い資産形成への第一歩です。

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