石破政権の経済政策、とりわけ防衛費の拡充と財政健全化への取り組みは、賛否を超えて一定の経済学的評価が可能です。本記事では、感情論ではなく数値と理論に基づいた視点から、政策の実効性と課題を検証します。
防衛費の拡充は経済にどう影響するか
防衛費は2025年度予算で前年比9.4%増の8.6兆円に達し、GDP比でも1.8%を突破しています。これはNATO加盟国の基準である2%に近づいており、経済安全保障の観点からも評価されています。
たとえば、装備品の国内調達拡大によって、防衛産業への波及効果が見込まれ、防衛省の予算執行も「国内雇用の下支え」に貢献している点は経済波及的にプラスです。
国債依存度の低下は健全財政の証か
近年の税収増によって2025年度の国債依存度は24.8%と、コロナ前の水準まで改善。これは経済成長と税収弾力性の向上を背景にしています。
一方で、社会保障と防衛費の増加が続く中、財政余裕は限定的。IMFやOECDも、日本における中長期的な財政再建の道筋は依然として不透明だと指摘しています。
金利とインフレの関係:減税が招くリスク
財政余力が少ない中で減税を行えば、国債増発による金利上昇リスクが高まります。日本は現在、日銀のYCC政策で金利を抑制していますが、市場の期待インフレ率が上昇すれば政策維持が困難になります。
たとえばアメリカでは、財政拡大と利上げが同時進行し、国債金利が跳ね上がったことがありました。石破政権が減税を抑制する判断は、こうした例を踏まえたリスク管理の観点といえるでしょう。
経済学的に見た「歳出の質」とは
防衛費や社会保障費の増加が続く中で、財政の「量」ではなく「質」に注目すべきです。公共事業や補助金の選定基準が、将来の成長率を高める内容にシフトしているかが重要です。
たとえば、防衛装備品を単に買うのではなく、国内の技術育成・生産基盤強化に連動させる政策設計は、財政支出の質を高める好例です。
政権への評価と今後の課題
石破政権(仮定)は技術的・制度的に堅実な財政政策を行っているとの声もありますが、国民への説明力や信頼醸成の課題は依然大きいです。
経済学的には、財政赤字を抑えつつ成長投資を進める「均衡型戦略」を取っていると分析できますが、政権支持率や政党内力学によって持続性が左右されるのは構造的な弱点です。
まとめ:経済政策は「数字」で測るべき
感情的な批判や賛美を一旦脇に置き、石破政権の経済政策を「データとロジック」で検証すれば、防衛費拡充も財政健全化も一定の合理性を持っていると評価できます。
ただし、成長と再分配のバランス、将来的な財政持続性、説明責任の履行といった側面を今後どう改善できるかが、経済学的にも政策評価の分かれ目となるでしょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント