株式投資において、同じ銘柄を短期間に何度も売買することは珍しくありません。しかし、そうした取引の中で「一度売却して利益確定したはずの実現損益が、再度同じ銘柄を買ったあとに減っているように見える」という現象に戸惑う方も多いでしょう。本記事では、その原因と仕組み、そして投資家として注意すべきポイントを詳しく解説します。
実現損益とは何か?仕組みの基本をおさらい
実現損益とは、実際に株式を売買して確定した損益のことを指します。たとえば1000円で買った株を1200円で売れば、200円の実現益となります。証券口座の「実現損益」欄には、このような確定した利益や損失が反映されます。
ただし、証券会社によっては表示がリアルタイムで反映されなかったり、後述するような「平均取得単価」の変動によって一時的に表示が変わる場合もあります。
売却後に再度同じ銘柄を買ったときの損益の動き
一度売った銘柄を再び買い戻した場合、その後に「どの価格で買い戻したか」によって平均取得単価が変わります。これにより、証券会社のシステム上では「最新の取得価格を反映した損益計算」が再度行われ、結果として以前表示されていた実現損益が変化して見えることがあります。
ただし、これは実際に損をしたわけではなく、表示上の一時的な誤差や整合性の問題に過ぎません。確定した利益は、確定申告や年間取引報告書で正確に記録されます。
実例:一度売ってから買い戻した場合の表示変化
たとえば以下のようなケースを考えてみましょう。
取引日 | 取引内容 | 株価 | メモ |
---|---|---|---|
6/1 | 100株購入 | 1000円 | 取得単価1000円 |
6/5 | 100株売却 | 1100円 | +100円×100=1万円の実現益 |
6/6 | 100株再購入 | 1150円 | 新たな取得単価が1150円に |
この場合、再購入後の評価損益に変動が生じますが、6/5の1万円の実現益自体が取り消されることはありません。ただし、証券会社のシステム上、合算表示になって混乱するケースがあります。
証券会社による表示の違いに注意
証券会社によっては、「売却による実現損益」と「評価損益」を明確に分けて表示していないことがあります。また、表示のタイミングが取引成立の翌営業日になることもあるため、一時的に実現益が少なく見えるケースも存在します。
こうした表示のズレや仕様は、各証券会社の取引明細ページや年間取引報告書で確認することが可能です。心配な場合は、証券会社のサポート窓口に問い合わせて詳細を確認するのも一つの手です。
あとから金額が修正されることはあるのか?
多くの場合、取引後のデータは証券会社のシステムによって自動的に整合されます。実現損益の表示が一時的に誤っているように見えても、翌日や月末の確定処理後には正しい金額に修正されることがほとんどです。
ただし、取引履歴の確認や、CSVなどでデータをダウンロードしておくことで、自身の取引内容と表示の整合性を常に把握しておくと安心です。
まとめ:実現損益の「一時的な表示変化」に惑わされないことが大切
一度売却した株を再度購入した場合、実現損益の表示が一時的に少なくなることはありますが、これはあくまで証券会社のシステム上の仕様です。確定した損益が実際に消えることはありません。
大切なのは、「取引履歴」「実現損益」「評価損益」それぞれを区別して把握することです。少しでも不安がある場合は、証券会社のサポートを活用し、正確な情報を確認しておきましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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