投資信託は資産形成において多くの人が活用している金融商品です。その中で「複利」という言葉がしばしば登場しますが、これがどのように機能するのか、そして長期保有が必ずしも利益をもたらすとは限らない理由について、正しく理解することが大切です。
投資信託と複利の関係とは?
投資信託には預金や債券のような明確な複利計算の仕組みがあるわけではありません。しかし、分配金の再投資や基準価額の成長を通じて「複利的に増えていく」効果が期待できる場合があります。
たとえば、毎年得られる利益(分配金)をそのまま再投資すれば、翌年は元本+前年度の利益に対して新たな利益が生まれます。この繰り返しによって、時間の経過とともに資産が雪だるま式に膨らむ現象が複利の効果です。
複利が効くための条件とは?
複利的な運用効果を得るには、以下の要素がそろう必要があります。
- 長期間にわたる運用
- 利益の再投資
- 右肩上がりの資産成長
このような条件が整えば、基準価額の増加により資産全体も加速度的に伸びていく可能性があります。しかし、基準価額が下落すれば、当然損失となるため、複利の効果が発揮されない年もあることを念頭に置くべきです。
長期保有は本当に安全なのか?
「長期で持てば損はしない」と言われることがありますが、これは全ての投資信託に当てはまるわけではありません。経済成長や企業業績の向上といった前提が崩れれば、30年持っていてもマイナスのままというリスクもゼロではありません。
特にインデックス型とアクティブ型でパフォーマンスやリスクの違いがあるため、投資信託の性質をよく理解して選ぶことが重要です。
具体例で見る:分配金再投資と単利の違い
たとえば、100万円を年利5%で20年間運用するとします。
- 分配金を受け取って再投資しない(単利):100万円+5万円×20年=200万円
- 分配金を再投資した場合(複利):約265万円
このように、同じ利率でも再投資によってリターンに大きな差が出ることが分かります。
複利に騙されないための注意点
投資信託の広告や紹介記事で「複利で資産倍増」などの表現が使われることがありますが、これは理想的なシナリオに基づいたものであることが多いです。
実際には、市場の変動や分配金の有無、再投資のタイミングなどが複利効果に大きな影響を与えます。必ずしも毎年安定したリターンが得られるわけではない点に注意しましょう。
まとめ:投資信託と複利の現実的な付き合い方
・投資信託は明確な複利商品ではないが、複利的に成長する可能性がある
・その効果を得るには長期保有と再投資が鍵となる
・経済環境や基準価額の下落によっては複利効果が出ないこともある
・「長期=安全」という思い込みは危険で、リスク評価が不可欠
複利は確かに強力な資産形成の仕組みですが、それを最大限活かすには正しい理解と、計画的な運用戦略が必要不可欠です。

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