為替市場で取引していると「ゴトー日(5・10日)」はチャンスとされる一方、最近では「勝てない」「読みにくくなった」という声も増えています。その背景には、実需の為替取引の“時間の変化”や市場構造の変化があるかもしれません。この記事では、ゴトー日と実需の動向を整理しつつ、勝ちにくさの要因を考察していきます。
ゴトー日とは?本来の意味と市場に与える影響
「ゴトー日」とは、日本企業の決済日である5日・10日・15日・20日・25日・30日を指します。これらの日には、実需によるドル買い(円売り)が発生しやすく、午前9時55分(東京仲値)の前後に為替が動く傾向がありました。
特に大手輸入企業がドルを調達する影響で、東京時間の午前にドル円が上昇しやすいパターンが見られ、「ゴトー日トレード」として知られるようになりました。
最近のゴトー日が勝ちにくい理由とは?
以前に比べ、ゴトー日でも明確なトレンドが出づらくなった背景には以下のような要因が考えられます。
- 企業の為替予約システムの進化により、決済が分散化されている
- ロボット注文(アルゴリズム)による先回り
- 市場参加者がゴトー日を意識しすぎて動きが織り込まれる
かつてのように9:30〜9:55で素直に上昇という単純な構図が成り立たなくなり、むしろフェイント的な下落やレンジ相場になることも増えています。
実需の時間はズレてきているのか?
実需の取引は依然として仲値決定前に集中しますが、銀行や企業のシステム取引が前倒しになり、7時台〜8時台にドル買いが出ることもあります。これにより、9時以降に動かない、むしろ逆に動くといった現象が起きているのです。
また、外資系金融機関の影響により、ロンドン時間やNY時間に実需がシフトすることも一部で指摘されており、午前中の東京時間だけを狙った取引が難化しています。
過去と現在のゴトー日:実例から見る市場の変化
2023年〜2024年のドル円チャートを例に見ると、ゴトー日に仲値直前で上昇せず、逆に急落するケースが複数回見られました。これは大口の実需が事前に処理されていた、あるいは実需を装った投機的売買による“誘い”の可能性があります。
こうした変化を踏まえ、経験則に頼った短期トレードではなく、より戦略的な視点で市場を見ることが求められます。
ゴトー日トレードの今後:どう向き合うべきか
✔ 実需の流れは依然存在するが、発生タイミングの読み解きが重要
✔ アルゴリズムの影響で、“素直な上昇”を期待しすぎるのは危険
✔ チャートパターンだけでなく、板の厚みや注文状況も参考に
✔ スキャルピングではなく、リスクを絞ったスイングも視野に
まとめ|勝ちにくい理由を知れば、次の一手が見えてくる
ゴトー日でも勝てない背景には、実需の分散化、時間のズレ、市場参加者の変化など複合的な要因があります。かつての“鉄板パターン”が通用しなくなった今こそ、情報収集力と戦略的思考が重要になります。
ゴトー日だから勝てる、ではなく「ゴトー日に何が起きやすいか」を観察し続ける姿勢こそが、次の勝機をつかむ鍵です。

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