SNSや資産形成ブログでよく見かける「資産○○万円達成しました!」という投稿。その中には、夫婦の合計資産をあたかも1人で築いたように語るケースもあります。今回は、こうした表現に違和感を持つ背景や、資産形成における「共有」と「透明性」について考察します。
夫婦合算の資産を“1人称”で語るケースの背景
たとえば、ある発信者が「1億円貯めました」と言っていても、よく見ると実際には夫婦でNISAを使い、収入も共働きで合算しているというケースは珍しくありません。
こうした表現は、本人にとっては自然でも、外から見れば「見栄」や「誇張」と受け取られることもあります。
個人資産か夫婦資産かを区別しないことの問題点
資産形成を考える際、誰の名義でどれだけの資産があるのかは、贈与税・相続・税制優遇措置(NISAやiDeCoなど)で大きな影響を及ぼします。
たとえば新NISAでは年間投資枠が個人単位で設定されており、夫婦それぞれが運用していることを明確にすることが重要です。これを無視して“合計額”で語ると、誤解やトラブルの原因になりかねません。
資産の合算表示がもたらす“見栄”の心理とは?
「1人で1,000万円貯めた」と「夫婦で2,000万円貯めた」は似て非なるものですが、あえて後者を前者のように語る背景には、自己肯定感や承認欲求の影響があると考えられます。
心理学ではこれを“印象管理”と呼び、自分をより良く見せるための戦略の一種です。SNSが普及した今、資産公開も「演出の場」となっているのです。
共働き夫婦における資産管理の現実的な在り方
共働き世帯では、以下のような資産管理方法が一般的です。
- 別会計制:家計は分担、資産形成も個別管理
- 合算管理制:収支も運用も一元化して夫婦単位で最適化
- ハイブリッド型:生活費は共有、資産運用は個別にNISA等を活用
重要なのは、「見せ方」と「実際の管理」が一致しているかです。
実例:SNS上の資産公開から学べる注意点
ある人気家計ブロガーは「30代で資産7,000万円達成」とタイトルに掲げていますが、本文を見ると夫婦共働きでNISAも2人分、iDeCoや住宅資産も含んでいます。
これ自体は間違っていませんが、見る側が「1人で作った」と誤認することで、過剰な焦りや自己否定につながるケースも見られます。正確な情報開示と文脈の明示が望ましいでしょう。
まとめ:資産形成は「誰とどう築くか」も大切に
資産形成において、「いくら貯めたか」だけでなく、「誰と、どのように築いたか」も重要です。
見栄を張るよりも、透明性と共感を意識した発信の方が、長期的な信頼や共感につながります。資産額の見せ方に惑わされず、自分らしいペースで資産形成を続けていきましょう。

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