投資信託を長期放置した場合の未来予測と個別株積立の現実的な運用法

資産運用、投資信託、NISA

資産運用において「積立投資」と「個別株投資」は、目的と戦略に応じて使い分けることで大きな成果を上げる可能性があります。この記事では、全世界株式インデックス(オルカン)への投資を継続せずに放置した場合の将来の成長可能性と、個別株への資金振り分けの現実的な方法について解説します。

オルカンを20年放置した場合の将来シミュレーション

オルカン(eMAXIS Slim全世界株式など)は、長期で安定した成長が見込める投資信託の一つです。これを400万円保有し、20年間放置した場合の成長シナリオを年利リターン別に見てみましょう。

想定年利 20年後の資産額
3% 約722万円
5% 約1,063万円
7% 約1,548万円

複利効果を最大限に享受できるため、仮に年利5%で運用できた場合、20年でおよそ2.5倍になる計算です。

積立を停止して個別株に切り替えるメリットと注意点

月10万円の積立をやめ、個別株に振り分けることでリターンの最大化を目指す戦略も考えられます。個別株では銘柄選定や購入タイミングによって大きな値上がりが期待できる反面、リスクも大きくなります。

たとえば、以下のような差が生じます。

  • オルカン:分散投資で安定的なリターンを狙える
  • 個別株:集中投資で短期的なリターンも可能だが、元本割れのリスクが高い

特定のテーマ株(例:AI関連、再生エネルギー、バイオテック)に集中する場合は、必ず企業分析や市場の動向を把握しておく必要があります。

個別株に積立購入できるか?

基本的に、証券会社では個別株の“自動積立”は原則できません。ただし、以下のような手法で“擬似積立”を実現できます。

  • 毎月の決まった日に手動で同一銘柄を購入する
  • S株(単元未満株)やETFを毎月一定金額分ずつ購入する
  • 一部証券会社が提供する「株式累積投資サービス(るいとう)」を活用する

たとえばSBI証券では、「S株」を用いた月1回の自動注文設定で、擬似的に個別株を積立購入できます。

下落時に買い集める戦略の有効性

“下落時に買い集める”という戦略(バリュー平均法)には一定の合理性があります。市場が大きく下落した際に購入することで、平均取得単価を引き下げる効果があるためです。

しかし、相場の底を見極めるのは至難の業であり、「もっと下がるのでは」と思って買えない心理が働くこともしばしばです。したがって、毎月一定額を投入する「ドルコスト平均法」と併用するのが現実的です。

毎月10万円の運用先の選択肢

毎月10万円の投資資金を有効活用する方法として、以下のような分散投資プランも検討できます。

  • 5万円:積立NISA枠で全世界株式
  • 3万円:個別株(テーマ性のある銘柄)
  • 2万円:現金または短期債券で待機資金

このようにポートフォリオに緩急をつけることで、相場変動に対して柔軟な運用が可能になります。

まとめ:放置か切り替えかは目的次第

オルカンを20年放置する戦略は、「老後資金の確保」や「インフレ対策」には非常に有効です。一方で、個別株投資はスキルと情報収集力が要求されますが、より高いリターンを追求できる魅力もあります。

毎月の10万円は、リスク許容度や投資目的に応じて柔軟に振り分けることで、長期的に資産を着実に増やすことが可能です。ご自身のライフステージと目標を見据えたうえで、戦略を組み立てていきましょう。

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