株式投資を行っていると、確定申告や利益の確認のために「特定口座損益報告書」や「譲渡益税明細表」を目にする機会があります。楽天証券の明細にも登場する「収入金額」や「取得費」という項目は、どちらも税務上の計算に重要な役割を果たしますが、初心者にとってはやや分かりにくいものです。この記事では、それぞれの意味と使い方を具体的に解説します。
収入金額とは何か？
「収入金額」とは、売却した株式や投資信託などの売却価格（売却時の受け取り金額）のことです。これには、売却時に実際に受け取った金額から、証券会社への手数料や消費税を含めた合計金額が記載されます。
例えば、ある株を100万円で売却し、手数料が500円だった場合、収入金額は99万9500円ではなく、100万円と記載されます（手数料等は取得費などで調整されます）。
取得費とは何か？
「取得費」とは、売却した株や投資信託などの購入にかかったコストのことで、購入金額に加え、購入時にかかった手数料なども含まれます。つまり、実際に払った総額が取得費となります。
たとえば、90万円で株を購入し、購入手数料が1000円だった場合、取得費は90万1000円になります。取得費が高いほど、売却時の利益（譲渡益）は少なくなります。
譲渡益はどう計算される？
譲渡益（売却益）は以下のように計算されます。
譲渡益 ＝ 収入金額 − 取得費 − 諸経費
たとえば、収入金額が100万円、取得費が90万1000円、売却手数料が900円だった場合、譲渡益は
100万円 − 90万1000円 − 900円 ＝ 8万9900円
この譲渡益に対して、約20.315%の税金（所得税15.315%、住民税5%）が課されます。
損益通算や繰越控除の重要性
投資で損失が出た場合も、この損益は無駄にはなりません。他の利益と相殺（損益通算）したり、最大3年間の繰越控除が可能です。
たとえば、2024年に10万円の損失が出て、2025年に20万円の利益が出た場合、2025年の課税対象は10万円（＝20万円−10万円）になります。楽天証券では、特定口座（源泉徴収あり）を使えば自動でこの計算がされますが、年末時点の明細で確認しておくと安心です。
楽天証券での確認方法
楽天証券の「特定口座年間取引報告書」や「譲渡損益報告書」は、ログイン後「口座管理」→「電子交付」からPDFで確認できます。特に確定申告の際にはこの書類が必要になるため、年明け以降は必ず確認しましょう。
また、不明な場合は楽天証券のFAQやチャットボット、電話サポートでも丁寧に案内してくれます。
まとめ：収入金額と取得費を正しく理解して投資管理を
「収入金額」は売却金額、「取得費」は購入にかかったコストを指し、両者の差が投資の利益または損失となります。楽天証券の明細ではこれらが明確に記載されており、税金計算の基礎となる重要な情報です。内容を理解することで、税負担の適正化や損益通算の活用にも役立ちます。正しく読み解き、確定申告や資産管理に活かしていきましょう。
こんにちは！利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント