積立NISAで表示金額より売却金額が少なくなる理由とは?知っておきたい評価額と受取額の違い

資産運用、投資信託、NISA

積立NISAを利用していると、アプリで表示されている金額よりも実際の売却金額が少なくなることがあります。「アプリでは9万円と表示されていたのに、売却しようとしたら8万5千円だった」——このような現象に驚いた経験はありませんか?この記事では、その原因を具体的に解説し、積立NISAの仕組みをより深く理解できるようにサポートします。

評価額と売却金額の違いとは?

まず理解しておきたいのは、アプリなどで表示される「評価額」は、あくまで現在の基準価額×保有口数によって計算された見かけの金額であり、実際に受け取れる「売却金額」とは異なる可能性があるという点です。

売却時には「その時点の基準価額」で換算されますが、この価格は1日に1回だけ更新されるもので、注文タイミングと受渡しタイミングのズレによって、最終的な金額が変動します。

なぜ差が出るのか?主な理由3選

  • 注文タイミングと基準価額のズレ:売却注文を出した瞬間の価格が反映されるわけではなく、多くの場合その日の基準価額で約定します。そのため、価格が下がった後に売却処理されると想定より受取額が下がります。
  • スプレッド(売買価格の差):ETFなどを売却する場合、買値と売値に差があるため、これによっても目減りします。
  • 信託報酬などの運用コスト:長期的には運用コストの控除が影響し、思ったより増えていない場合もあります。

具体例で見る価格差のケース

たとえば、ある日アプリで評価額が「90,000円」と表示されていた場合でも、その日の株式市場の下落や為替の変動などで、その日夜に算出される基準価額が下がり、実際の売却金額が「85,000円」になるということは十分起こり得ます。

また、評価額は「前営業日の基準価額」で計算されていることが多く、リアルタイムでの変動を反映していないという点も重要な注意点です。

積立NISAは短期売買に向いていない

積立NISAは長期・積立・分散投資を前提とした制度です。そのため、短期的な値動きによる価格差に一喜一憂するのではなく、時間をかけて資産形成をしていく投資スタイルが基本です。

今回のような評価額と売却額の差異も、長期的に見れば運用の中で吸収されることが多く、日々の細かな価格差に神経質になる必要はありません。

確認しておきたいポイントと対策

  • 約定日と受渡日を確認しよう:ファンドごとに異なるため、売却時のスケジュールを理解しておくことが重要です。
  • 急いで資金化する必要がある場合は、前日の基準価額や市況を参考にして売却タイミングを検討しましょう。
  • 必要に応じてファンドの目論見書や、証券会社のFAQも活用するのがおすすめです。

まとめ:評価額と売却金額の差は仕組み上の自然なもの

積立NISAで表示される評価額と、実際に売却時に受け取る金額には、仕組み上のズレが発生するのが一般的です。これは特別な手数料やトラブルではなく、基準価額の決まり方や売却処理のタイミングによるものであるため、正しく理解しておくことが大切です。長期投資を前提とした積立NISAでは、多少のブレに惑わされず、堅実に積み立てていくことが最も重要な戦略です。

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