日本株が世界的に見ても割安だと注目される中、通信インフラ大手のNTT(日本電信電話)と自動車メーカーのスズキを保有する投資家は少なくありません。これらの銘柄が「爆上がり」する可能性があるのかどうかを、注目すべき技術や海外展開、業界の潮流から冷静に分析していきます。
NTTのIOWN構想に期待が高まる理由
NTTは現在、次世代通信構想「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」を推進しており、これが同社の成長ドライバーとして大きく注目されています。IOWNは光ベースのネットワークにより、従来の通信の10倍以上の伝送速度と大幅な低遅延を目指す技術革新です。
たとえば、IOWN構想が実現すれば、自動運転や遠隔医療、メタバースなどの高精細・リアルタイム処理が必要な分野で圧倒的な優位性を発揮できます。これはNTTの株価にとって将来的な上昇要因と見なされています。
スズキはインド市場での優位性がカギ
一方、スズキは「マルチ・スズキ・インディア」を通じてインド国内で最大の自動車シェアを握っています。インドは今後も高い経済成長が予想され、自動車需要の拡大は確実と見られています。
2023年にはスズキがインド国内で生産設備の拡張やEV(電気自動車)戦略への投資を強化したことも好材料です。競合であるトヨタや現地メーカーを押さえてシェア維持できれば、株価への反映も期待されます。
「爆上がり」期待には注意も必要
とはいえ、「爆上がり」には慎重な姿勢が必要です。大企業の株価は業績や政策、為替影響、金利動向など複合的な要因で変動します。たとえば、通信インフラの大規模設備投資が利益圧迫要因になることもありますし、スズキにとってもインド政府の規制変更はリスクです。
特定のテーマだけで過度な上昇を期待するよりも、長期目線での価値評価が重要です。
日本株はなぜ「割安」と評価されているのか
多くの海外投資家が2024年以降、日本株を「割安」だと捉えて買いを進めています。その理由には以下のような点が挙げられます。
- 企業の自己資本比率やキャッシュフローの安定
- 配当や自社株買いの増加
- 海外展開・技術投資への積極姿勢
こうした流れの中で、NTTやスズキのような老舗かつ技術・市場に強みを持つ企業は「見直し買い」の対象として再評価されやすい状況にあります。
投資判断に必要な視点とは
株式投資は期待と現実のバランスを冷静に見極める必要があります。「IOWN」や「インド市場の成長」といったテーマは確かに魅力的ですが、それが業績・財務・市場評価にどう反映されるかの見極めが不可欠です。
また、保有比率、分散投資、リスク管理といったポートフォリオ戦略も含めて、定期的に見直すことをおすすめします。
まとめ:NTTとスズキは注目すべき堅実成長株
NTTとスズキはそれぞれ成長テーマを持つ堅実な企業であり、長期保有に適した銘柄といえます。「爆上がり」という短期的な期待に依存するのではなく、経営の方向性、外部環境、財務基盤など多角的に分析して判断する姿勢が求められます。
日本株が注目される今こそ、NTTやスズキのような企業の本質的価値を見つめ直す好機と言えるでしょう。

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