トレードの世界では「インジケーターは一切使わない」「チャートの“裸”が最強」といった主張が一部で語られることがあります。確かにインジケーターに頼らず裁量判断を徹底するトレーダーも存在しますが、それが「優れている」と言い切れるかどうかは別問題です。この記事では、インジケーターを使わないトレードスタイルの実態と、その背景にある心理的傾向、さらには効率的なトレード構築の視点から深掘りします。
「インジケーターなしが上級者」のイメージの正体
一部トレーダーの間には「何も使っていない=地力で勝てる=かっこいい」というような暗黙の美学が存在することがあります。これは自己効力感を高めたいという心理や、“道具に頼らない俺”というアイデンティティを確立したい欲求とも解釈できます。
例として、SNSやトレード系の掲示板では「ラインとローソク足だけで十分」という主張をよく見かけます。こうした発言が信頼性のある実績に基づいている場合もありますが、中には根拠の薄い自己陶酔的な発信も含まれています。
本当にインジケーターは不要なのか?
そもそもインジケーターとは過去の価格や出来高を一定の計算式で処理し、視覚化するためのツールです。移動平均線(MA)、ボリンジャーバンド、MACDなど、基本的なものでも市場の状態を把握するのに役立ちます。
特に初心者にとっては、チャートの動きを感覚だけで判断するのは危険です。例えば、トレンドの発生や転換、相場の過熱感などを視覚的に捉えるために、RSIやストキャスティクスのような指標を併用することは有効なアプローチです。
インジケーター依存と卒業の境界線
インジケーターを使うこと自体が問題なのではなく、「使い方」にこそ重要な違いがあります。盲目的にシグナルに従うだけの“インジ依存”は確かに危険ですが、インジケーターを相場認識の一助として活用する“道具としての使用”はむしろプロフェッショナルに近い思考です。
たとえば、MAをトレンド判断の補助に使いつつ、水平線とローソク足でエントリーポイントを絞るというのは多くのプロトレーダーも実践しています。
裁量トレードの本質とは?
「裁量」とは“自分で判断すること”であり、“道具を排除すること”ではありません。むしろ、有益な情報は積極的に取り入れて判断の質を高めることこそが、裁量トレードの本質と言えるでしょう。
たとえば、ベテラントレーダーであっても、エントリー前に過去の価格帯の反応やボラティリティ指標などをチェックして、勝率の高い条件を揃えてから取引しています。それは“裁量”であって“無手法”ではありません。
インジケーターを使わない優位性は存在するか
もちろんインジケーターを使わないトレーダーにも成功例はあります。特に、長年の経験で相場の癖や市場心理を体感的に理解しているベテランにとっては、シンプルなチャートでの判断がむしろ効率的な場合もあります。
ただし、そういった成功例は例外的であり、決して万人向けとは言えません。「インジなし=かっこいい」という短絡的な考え方には慎重になるべきです。
まとめ:道具を使うかどうかより“勝てるかどうか”が本質
インジケーターを使う・使わないは手法の違いに過ぎず、重要なのは「継続的に勝てる戦略を持っているかどうか」です。「インジなし=上級者」という幻想に惑わされず、自分にとって必要な情報やツールを柔軟に使いこなす姿勢が、勝ち組への第一歩となります。
最終的に求められるのは、“何を使うか”ではなく、“どのように使って勝ちにつなげるか”という視点なのです。

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