【決算書の読み方】営業利益と経常利益、投資判断で本当に見るべきはどっち?

株式

株式投資を行う際、上場企業の決算書における「営業利益」と「経常利益」のどちらに注目すべきか悩む投資家は少なくありません。この記事では、両者の違いと投資判断において重視すべきポイントを、初心者にもわかりやすく解説します。

営業利益と経常利益の基本的な違い

営業利益は、本業の儲けを示す利益で、売上高から売上原価・販管費などを引いた利益です。企業の本業の競争力や事業モデルの収益性を見るのに適しています。

経常利益は、営業利益に加えて、受取利息や配当金、支払利息などの営業外収益・費用を加味した利益で、企業の財務運営力や本業外収支も含めた“全体の経常的な稼ぐ力”を表します。

投資判断ではどちらを重視すべきか?

中長期投資を行う投資家は、多くの場合「営業利益」に注目します。これは、本業の持続可能性が企業価値の基盤になるからです。

一方で、短期的な業績変動や資金繰りを見たい場合は「経常利益」がより有効です。金融収支の変動が激しい企業では、経常利益の方がキャッシュフローの実態に近いことがあります。

実例で学ぶ:トヨタとソフトバンクGの比較

トヨタ自動車は営業利益が高く安定しており、本業の自動車製造で確実に利益を上げています。これは長期投資家にとって非常に魅力的です。

一方ソフトバンクグループは、投資活動などの営業外収支が大きく変動するため、経常利益が大幅に上下します。投資家は経常利益に注目し、リスクを含めて分析する必要があります。

成長企業は営業利益のトレンドを重視しよう

成長段階の企業では、金融収支よりも事業の伸びに注目すべきです。そのため、営業利益や営業利益率の推移を見ることで「利益の質」が評価できます。

たとえば、ITベンチャーなどは金融収支が不安定でも、営業利益が増加基調なら今後の成長が期待できます。

逆に経常利益が重要になるケース

不動産業や金融業など、営業外収益が事業の中心である企業では、経常利益が企業の本質的な収益力を表します。

また、借入金が多い企業では、支払利息によって経常利益が圧迫されるため、経常利益の動向を無視できません。

まとめ:目的に応じて使い分けるのが正解

営業利益は本業の収益性、経常利益は会社全体の経常的な収益力を示す指標です。

長期投資なら営業利益、短期的な動向や財務状況を重視するなら経常利益を見ると良いでしょう。投資判断では一方だけでなく、両方をバランスよく確認する視点が重要です。

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