オルカン×FANG+×ゴールドの組み合わせはNISAで有効か?分散と為替ヘッジを踏まえて考察

資産運用、投資信託、NISA

2024年の新NISA制度で、分散投資や資産形成への関心が高まっています。この記事では、「オルカン:FANG+:ゴールド=3:1:1」という構成を前提に、分散性・リスク・リターンの観点からその妥当性を考察していきます。

資産構成の概要と意図

このポートフォリオ構成は、オルカン(全世界株式)を軸に、FANG+(米国成長株)とゴールド(金)を組み合わせる形です。オルカンが全体のリスクを平均化し、FANG+で成長性、ゴールドでリスクヘッジと非相関資産を加える戦略だと考えられます。

ゴールドに関しては、為替ヘッジあり・なしを半々で保有とのことで、為替リスクへの一定の分散意識もうかがえます。

オルカンの位置づけと安定性

オルカン(全世界株式インデックス)は、米国株を中心とした先進国・新興国株式を網羅しており、長期積立において安定性が高いとされています。

事実、MSCI ACWI連動型ファンド(例:eMAXIS Slim 全世界株式)は過去10年で年平均リターン6~8%前後を実現しており、リスク分散を最優先に考える場合に基盤となる商品です。

FANG+の役割とリスク

FANG+(Facebook、Amazon、Netflix、Googleなどの成長株群)は、リターンの高さと同時にボラティリティ(価格変動)が大きいことが特徴です。

近年の生成AIやテック銘柄の急伸に支えられ、NASDAQ100やFANG+は年率20%超の成績を出す年もありますが、その反面2022年のようなマイナス30%超の年もあるため、全体の1割程度に抑えておく構成はリスク管理として適切です。

ゴールドの特徴と為替ヘッジの効果

ゴールドは株式と相関が低く、インフレや有事リスクへのヘッジ手段として機能します。特に2020年以降の地政学的リスク局面では、安全資産として強さを発揮しました。

為替ヘッジありのゴールドは為替変動の影響を抑えつつ、ヘッジコストが発生します。一方、為替ヘッジなしは米ドル建て資産として円安の恩恵を受けられる一方、円高には弱い特性があり、両方を半分ずつ保有することで中庸的なリスク配分になります。

実際の投資シミュレーション例

2020年から2024年までの各資産の平均年次リターン(おおよその実績)は以下の通りです。

資産 平均年リターン
オルカン 約+7%
FANG+ 約+15%(ただし年ごとのばらつき大)
ゴールド(ヘッジあり) 約+3〜5%
ゴールド(ヘッジなし) 為替次第で±5%以上の差が出る

上記を加重平均すると、この構成ではリスクを抑えつつ7〜9%程度の期待リターンが見込める計算になります。

リスク管理とメンテナンスの重要性

FANG+が急騰した場合は資産バランスが崩れる可能性があるため、半年〜年1回のリバランスが推奨されます。

また、ゴールドが相場急落した際には資産の安全性が期待できないこともあるため、他の債券や現金比率の検討も将来的には必要です。

まとめ:3:1:1構成はバランス型で長期的に有望

「オルカン:FANG+:ゴールド=3:1:1」の構成は、成長性・安定性・非相関のバランスを意識したポートフォリオとして、NISAの長期運用にも適しています。

特に、ゴールドの為替ヘッジを半々にすることでリスク調整もなされており、FANG+を1割に抑える姿勢も良好です。今後も市況や為替動向に応じて柔軟に見直しながら、資産形成を進めていくことが重要です。

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