投資初心者の中には「基準価額が安いファンドのほうがたくさん買えてお得」と感じる人もいますが、これはよくある誤解の一つです。この記事では、基準価額の意味や、ファンド選びで本当に見るべき指標について、わかりやすく解説します。
基準価額が違っても投資成果は同じ?その仕組みを理解しよう
投資信託の基準価額とは、ファンド1万口あたりの価格を表すもので、運用開始時期や初期の基準価額設定によって異なるだけで、ファンドの“割安さ”や“高性能さ”を意味するものではありません。
たとえば、Aファンドの基準価額が10,000円、Bファンドが50,000円だったとしても、その価格差は単に過去の運用成績や設定時の値の違いに過ぎません。同じS&P500に連動していれば、日々の価格変動の比率も基本的に同じです。
基準価額で損得を判断してはいけない理由
多くの人が「安いから多く買える=お得」と考えがちですが、基準価額が安いからといって将来の値上がり幅が大きいとは限りません。逆に、基準価額が高くても、それは過去の良好な運用の結果かもしれません。
株式と同様に、「単価の安さ」は収益性と無関係。投資信託においては、将来のパフォーマンスが重要であり、基準価額の「絶対値」ではなく「変化率」を見るべきです。
本当に注目すべきは運用効率と信託報酬
投資信託を比較する際には、以下のような要素に注目しましょう。
- トータルリターン(3年・5年)
- 信託報酬などのコスト
- 純資産残高や資金流入量
たとえば、Aファンドが信託報酬0.1%、Bファンドが0.5%だとすると、長期運用においては運用効率に大きな差が出ます。コストの低さはリターンを押し上げる重要な要素となるのです。
インデックス型でも違いが出るポイント
「どれもS&P500に連動してるなら同じでしょ?」と思いがちですが、インデックスファンド同士でも以下のような違いがあります。
- ベンチマークとの乖離(トラッキングエラー)
- 実際の売買コスト(スプレッドや買付価格)
- ファンド規模と流動性
たとえば、eMAXIS Slim S&P500は非常に低コストでトラッキング誤差が小さく、同じS&P500連動型でもパフォーマンスで他のファンドを上回ることがあります。
実例で見る:基準価額の差とパフォーマンス
以下は2023年時点の例です。
ファンド名 | 基準価額 | 信託報酬 | 3年リターン |
---|---|---|---|
ファンドA | 10,500円 | 0.1% | +55% |
ファンドB | 48,200円 | 0.4% | +52% |
基準価額だけ見るとBの方が高価に見えますが、実際にはAの方がコストが低くパフォーマンスも上回っています。
まとめ:基準価額の“見た目”に惑わされず、本質を見る
投資信託において「基準価額が高い」「安い」といった見た目の価格だけで判断するのは危険です。投資対象や運用手法が同じなら、将来のパフォーマンスは価格の絶対値ではなく、運用効率やコスト構造に左右されます。
これからファンドを選ぶ際は、価格ではなく、中身と実績に目を向けることが、賢明な投資判断につながるでしょう。

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