高配当株投資における利回り計算の正解とは?初心者がつまずきやすい『分母』の考え方を徹底解説

株式

高配当株投資において、利回りは投資判断の基準となる重要な指標です。しかし「利回りの計算式の分母には、現在の株価を使うのか、それとも購入時の株価なのか?」という点で悩む投資家も少なくありません。本記事ではその疑問に答えるとともに、シーン別に使い分ける利回りの計算方法を紹介します。

利回りの基本構造と2種類の考え方

利回り(配当利回り)の基本式は、年間配当額 ÷ 株価 × 100(%)です。問題は「株価」をどの時点で捉えるかで利回りの意味が大きく変わることです。

大きく分けて、次の2つの考え方があります:
現在の株価を使う=他人が今その株を買ったときの利回り
取得時の株価を使う=自分の投資効率(YOC: Yield on Cost)

現在の株価を用いる利回りの特徴

証券会社やニュースなどで表示されている利回りは、基本的に「現在の株価」に対する利回りです。これは、現在その株を新たに購入した場合に得られる配当利回りを意味します。

この値は、投資家が銘柄を比較検討するための「共通基準」であり、特に将来の購入候補の選定において有効です。

購入時の株価を用いる利回り(YOC)の特徴

一方で、自分の投資効率を測るには「取得時の株価」を使った利回り、いわゆるYOC(Yield on Cost)が重要です。これは、自分が投じた金額に対して今どれくらいの配当を得られているかを示します。

たとえば1株1,000円で購入し、年間50円の配当を受け取っている場合、YOCは5%となります。たとえその株が現在800円まで値下がりしても、YOCは5%のままです。

実際の使い分け方|目的によって選ぶ

用途によって利回りの分母を使い分けるのがポイントです。

  • 他人との比較・市場平均との比較 → 現在の株価
  • 自分の投資成績や資産管理 → 購入時の株価(YOC)

投資戦略の違いにより、どちらを重視するかも異なります。たとえば、配当再投資を戦略に組み込んでいるなら、YOCを意識することが長期的視点での資産形成に役立ちます。

実例で学ぶ!利回りの計算の違い

たとえば以下のケースを見てみましょう。

購入価格 現在価格 年間配当 YOC 現在の利回り
1,000円 900円 50円 5.0% 5.56%

このように、同じ株でも利回りの計算基準が違うと見え方が大きく変わります。YOCは自分自身の投資履歴に基づく数字であり、現在利回りは市場の視点です。

まとめ:高配当株利回りは目的に応じた使い分けを

・「現在の株価での利回り」は他人との比較や市場評価に使う
・「購入時株価の利回り(YOC)」は自分の投資効率を測る指標
・両者を正しく理解し、シーンごとに使い分けることが重要

利回り計算の分母に何を使うかで、見える景色は変わります。投資スタイルや目的に応じて、賢く使い分けましょう。

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