NISA口座の相続はどうなる?株式・投資信託の引継ぎと手続きの基本を徹底解説

資産運用、投資信託、NISA

NISA(少額投資非課税制度)は、投資利益が非課税となる便利な制度ですが、万一のときの「相続」には注意が必要です。特に株式や投資信託をNISA口座で運用していた場合、そのままでは引き継げないことがあります。この記事では、NISA資産の相続についての基本的な仕組みと手続きの流れ、そして知っておきたいポイントを丁寧に解説します。

NISA口座の非課税は死亡時点で終了する

NISA口座はその名義人にしか適用されないため、名義人が死亡した時点で非課税措置は失効します。その後、NISA口座の資産は通常課税口座(特定口座または一般口座)に移されます。

つまり、相続人が非課税のままNISA口座を引き継ぐことはできません。これは一般NISA・つみたてNISAのいずれも同様のルールです。

相続手続きはどう進む?売却は必要?

結論から言えば、一旦売却してからでないと相続できないという決まりはありません。株式や投資信託はそのまま相続対象として扱われます。

証券会社では被相続人の口座を「相続手続き中口座」などに変更し、資産内容や評価額を確定した上で、相続人の希望に応じて現物で引き継ぐか、換金して分配するかを選べる場合が多いです。

証券会社を統一するメリットとは

被相続人と相続人が同じ証券会社を利用していると、手続きが簡略化されるメリットがあります。

たとえば、同一証券会社ならば新たな口座開設が不要だったり、移管のための手数料が不要になるケースもあります。また、社内での資産移動だけで済むため、時間や労力の負担も軽減されます。

実際の流れをわかりやすく紹介

例:父がSBI証券でNISAを運用していた場合
① 死亡届の提出とNISA口座の凍結
② 相続人による「相続手続開始届」の提出
③ 必要書類(戸籍謄本、遺言書、印鑑証明など)を提出
④ 評価額に基づいた分配方法(現物 or 売却)の選択
⑤ 相続税の申告・納税が必要な場合は確定申告へ

このような流れで、現物のまま引き継ぐことも可能ですが、相続人がNISAではなく課税口座で保有する形になります。

知っておくべき税制とリスク

NISA口座にあった資産も、評価額に応じて相続税の課税対象になります。死亡時点の時価が基準となり、たとえ相続後に資産価値が下がっても税額は変わりません。

また、非上場株や一部の投資信託などは換金や移管に時間がかかることもあり、遺産分割に影響を及ぼす場合もあります。

まとめ:NISA資産も計画的な相続対策を

「NISAだから安心」と思っていても、相続時には非課税の恩恵がなくなるため、事前に理解を深めておくことが大切です。

特に複数の金融機関に口座がある場合や、相続人が多数いるケースでは、資産の整理や分割方法を考慮して早めに専門家に相談するのもおすすめです。

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