インデックス投資、特に全世界株式やS&P500といったメジャーな指標に連動する投資信託やETFは、近年多くの投資家にとって「無難かつ有利」な選択肢と見なされています。しかしその裏には、倫理的な観点から見過ごせない議論も存在します。本記事では、そうした倫理的ジレンマと、それにどう向き合うかについて考えてみましょう。
インデックス投資に含まれる企業の現実
代表的なS&P500連動型ETF(例:VOOやIVV)には、アメリカの防衛関連企業が一定数含まれています。たとえば、ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)、レイセオン・テクノロジーズ(Raytheon Technologies)などは、軍需産業の中心的存在であり、国防予算から多大な収益を得ています。
これら企業が兵器を供給することにより、紛争地域での武力行使に加担しているという見方もあり、結果として間接的に「人命を奪う手段に投資している」構図が生まれかねません。
倫理的投資(ESG投資)という選択肢
こうした背景から、投資先企業の社会的責任(ESG:環境・社会・ガバナンス)に注目する動きが広がっています。ESG投資や社会的責任投資(SRI)では、軍需関連企業を除外するフィルターを設けた投資信託やETFも数多く登場しています。
たとえば、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」のような一般的な投資信託では軍需産業も組み入れられますが、iShares MSCI USA ESG Select ETF(SUSA)などは、ESG基準を満たす企業のみに絞られているため、こうした問題意識を持つ投資家には好まれています。
投資のリターンとモラルのバランス
高い収益性を求めるあまり、軍需関連企業を含むポートフォリオに盲目的に投資するのは、結果的に倫理的選択肢から離れるリスクがあります。
一方で、ESG重視のファンドは銘柄選定が限定されるため、短期的にはリターンが見劣りする可能性もあるというデメリットを持ちます。このトレードオフをどう捉えるかは、個々の価値観に依存する問題です。
倫理的ジレンマを超えて:どう向き合うべきか
重要なのは、「知らなかった」では済まされないという姿勢です。自分が何に投資しているのか、どのような産業に資金を投じているのかを理解したうえで、意図的に選択することが求められます。
投資は経済活動への参加であると同時に、価値観の表明でもあります。特に、倫理的・社会的な側面に敏感な方であれば、自分の信念に沿った投資先を選ぶことが重要でしょう。
まとめ:投資の未来を選ぶのは自分自身
インデックス投資は資産形成において非常に有効な手段である一方、投資先の企業が社会に与える影響について考える必要があります。
軍需産業への間接的投資を避けたい場合は、ESGやSRIの視点を取り入れたファンドを選ぶことで、その価値観に基づいた投資行動が可能です。
経済的利益と倫理的信念。その両立をどう図るかは、あなた自身の判断に委ねられています。

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