株取引を始めたばかりの人にとって、「見込み損益」の金額が思ったものと違っていて驚くことがあります。たとえば、1600円で買った株を1635円で売る予定なのに、なぜか「含み益が108,999円」と表示される。これはいったいどういう仕組みなのでしょうか?今回は株の損益計算の基本と、表示される金額の仕組みについて詳しく解説します。
株の損益計算の基本
株を買って売ったときの利益は、基本的には「(売値−買値)×株数」で求められます。つまり、100株を1600円で買って1635円で売れば、(1635−1600)×100=3,500円の利益になります。
ところが、証券会社のアプリやツールで表示される「見込み損益」や「含み損益」には、税金や手数料、その他のコストが含まれている場合があります。これが金額のズレにつながります。
なぜ見込み損益が10万円以上になるのか?
質問のように「買値1600円×100株=16万円、売値1635円の予定なのに損益が10万円以上」になるケースでは、以下のような要因が考えられます。
- 表示されているのは現在の含み益ではなく、ポートフォリオ全体の損益
- 実は平均取得単価が1600円よりもはるかに低い(たとえば1株600円など)
- 売却単価が誤って認識されている(たとえば売値1635円ではなく1株2735円と仮定されている)
また、取引画面によっては「売却可能株数」や「含み益累計」が表示されている場合があり、直近取引とは直接関係ない数字が見えている可能性もあります。
取得単価は常に確認を
「1600円で買ったつもり」でも、証券会社のシステムでは、複数回の買付で平均取得単価が計算されている場合があります。たとえば、以前にもっと安く買っていた株が含まれていて、平均取得単価が800円であれば、1635円で売ると8万円以上の含み益となることもあります。
証券口座の「取得単価」や「平均取得価格」欄を確認することで、計算の元になる金額が見えてきます。
手数料・税金も考慮されている場合がある
証券会社によっては、株の売却による見込み利益に対し、売買手数料や譲渡益税(20.315%)を差し引いた「実質利益見込み額」が表示されることもあります。つまり、単純な差額とはズレるのが普通です。
たとえば、売却利益が3,500円の場合、税金として約700円が差し引かれ、見込み利益は2,800円前後になることがあります。
証券会社ごとの表記ルールに注意
楽天証券、SBI証券、マネックス証券など、各証券会社によって損益表示の方法に差があります。ある会社では「現在値ベースでの含み損益」、別の会社では「評価損益+売却手数料を含んだネット損益」が表示される場合もあります。
証券会社の公式ヘルプやFAQページを確認することで、見込み損益の意味を正確に理解することができます。
実例:想定と違う含み損益に戸惑った例
たとえば、Aさんが100株を1,000円で買い、その後さらに100株を1,400円で追加購入した場合、平均取得単価は1,200円になります。この状態で株価が1,600円になったとすると、1株あたり400円の含み益×200株=8万円の含み益が表示されます。
このように「一部の取引だけ見て判断するとズレが生じる」ケースは非常に多いため、全体を俯瞰して見ることが大切です。
まとめ:まずは平均取得単価と株数を確認しよう
「思っていた利益と違う」と感じたら、最初にすべきは「平均取得単価」と「保有株数」の確認です。複数回取引や手数料の影響、税引後の利益など、表示額にはさまざまな要素が関係しています。
初心者の方は、証券口座の「損益明細」や「取引履歴」を確認しながら、冷静に数字をチェックすることをおすすめします。焦らずに一つひとつ確認することで、取引内容がより明確に理解できるようになります。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント