2024年から新NISA制度がスタートし、「積立投資枠」と「成長投資枠」の2つを活用できるようになりました。そのなかで多くの投資家が選んでいるのが、米国の代表的株価指数であるS&P500への投資です。積立NISAでも成長投資枠でも同じようにS&P500に投資している人も多いですが、それは間違いなのでしょうか?この記事では、その投資戦略の妥当性やメリット・デメリットについて詳しく解説します。
積立投資枠と成長投資枠の違いをおさらい
新NISAには2つの枠があります。
- 積立投資枠:年間120万円まで。長期・分散・積立を前提にした投資信託が対象。
- 成長投資枠:年間240万円まで。個別株やETF、アクティブファンドも選択可能。
両方の枠を併用すると、年間360万円まで非課税で投資できます。両枠で同じ商品に投資すること自体に制限はありません。
S&P500集中投資のメリット
米国のS&P500指数は、アップル、マイクロソフト、アマゾンなどの世界的企業500社で構成され、過去数十年にわたり安定した右肩上がりの成長を示しています。
インデックス投資としてのS&P500は、分散・低コスト・成長性の3拍子が揃っており、投資初心者から上級者まで幅広く支持されています。実際、2020年〜2024年の期間で年平均リターンは10%前後を記録しています。
両枠で同じ商品に投資することの是非
結論から言えば、積立枠と成長投資枠の両方でS&P500に投資するのは問題ありません。制度上も制限はなく、むしろ効率的に非課税枠を活用していると言えます。
ただし注意点もあります。同一指数に投資しているため、ポートフォリオの分散効果はほとんど得られません。つまり、米国市場が不調になった際には両枠とも同時に下落リスクを負うことになります。
投資方針としての一貫性が重要
投資の基本は、自分のリスク許容度と目標に応じたアセットアロケーションを取ることです。S&P500は優良な選択肢の一つですが、それが「信念に基づいた戦略」であるならば問題ありません。
むしろ「分散すべきだから違うものにしないといけない」と焦って複雑なポートフォリオを組むよりも、理解できる資産に集中して投資することの方が長期的には成果につながるケースも多いです。
一部を分散する選択肢も視野に
リスク分散の観点から、成長投資枠の一部を全世界株(オルカン)や日本株、REITなどに振り分けるのも検討価値があります。
たとえば、次のような例が考えられます。
- 積立枠:S&P500(楽天・eMAXIS Slimなど)
- 成長枠:S&P500+全世界株 or 高配当ETF
このように一部を分散することで、米国一極集中のリスクを下げながら非課税枠を最大限活用できます。
まとめ:S&P500への集中投資は「悪」ではない
積立NISAと成長投資枠の両方でS&P500に投資することは、制度的にも投資戦略としても問題ありません。実際に好調なパフォーマンスが出ているなら、それは現時点で成功している証拠とも言えるでしょう。
ただし、今後の市場変動に備える意味で、少しずつ視野を広げた分散も検討するのが賢明です。自分の目標・リスク許容度・理解できる範囲で、納得感のある投資を続けていくことが何より重要です。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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