SBI証券で口座を開設して投資をしている方が、引っ越しや投資方針の変更、他社への乗り換えなどを理由に口座を解約したいと考えるケースは珍しくありません。しかし、証券口座の解約には注意すべき点がいくつか存在します。とくに保有中の株式やiDeCo(個人型確定拠出年金)の取り扱いについては、事前にしっかり把握しておくことが重要です。
証券口座の解約と保有株式の行方
証券口座を解約する際、株式を保有したままでは原則的に解約できません。そのため、以下のいずれかの方法で対応する必要があります。
- 全ての株式を売却して現金化
- 別の証券会社へ株式を移管(株式移管手続き=出庫)
たとえば、楽天証券やマネックス証券など、移管先の口座を用意し、SBI証券の出庫手続きを申請します。これには数営業日を要し、銘柄数や証券会社間の対応によっては1週間以上かかる場合もあります。
なお、移管には手数料が発生することがありますが、移管先がキャンペーン等でキャッシュバックすることもあるため、確認しておくとよいでしょう。
iDeCoの扱いは別管理に注意
SBI証券を解約しても、iDeCo口座は自動的には解約されません。これはiDeCoが国の制度に基づいた年金口座であり、別管理となっているためです。
iDeCoをやめたい場合には、「加入者資格喪失届」などの書類を提出する必要があります。また、SBI証券でのiDeCoを他社に移したい場合は、移換先の金融機関で手続きし、SBI証券には「移換届出書」などの書類を提出することで手続きが可能です。
証券口座解約の流れと注意点
証券口座を完全に解約するには、まず以下の条件を満たす必要があります。
- 株式・投資信託などの残高がゼロ
- 信用取引などの建玉や口座設定がすべて解除されている
- MRF(マネー・リザーブ・ファンド)なども含めたすべての資産が出金済み
条件を満たしたうえで、SBI証券のウェブサイトやサポートセンターから解約手続きが可能です。ただし、iDeCoは個別に対応する必要があるため、勘違いしやすい点として注意が必要です。
実例:証券口座は解約してもiDeCoを継続利用
ある投資家は、SBI証券での通常取引を停止したいと思い、株をすべて売却し口座を解約しましたが、iDeCoは継続して利用し続けています。このように、iDeCoだけを残す形での解約も可能で、管理画面や連絡先が別となるだけです。
一方、別の投資家はiDeCoを他社へ移管することで、一括して管理を一本化しました。これにより、資産の確認や手数料比較がしやすくなり、利便性が向上しています。
まとめ|証券口座の解約は資産の行き先を明確にしてから
SBI証券を解約する際には、保有株を売却または他社へ移管し、iDeCoは個別に対応する必要があることを理解しておきましょう。
解約を焦って行うと、株の損失リスクやiDeCoの運用停止など、思わぬ影響が出ることもあります。口座解約前に一つひとつの資産の出口戦略を立てておくことが、安心かつ円滑な資産移行の鍵です。

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