田中貴金属の純金積立 vs GLDM:金投資で10年後に手元に残る金額はどちらが有利?

資産運用、投資信託、NISA

インフレや経済不安が続く中、「金(ゴールド)」への投資に注目が集まっています。中でも人気のある投資手段が「田中貴金属の純金積立」と「GLDM(ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト)」です。では、トータル500万円を10年間投資した場合、税金などを考慮して最終的に手元に残る金額はどちらが有利なのでしょうか?この記事では、それぞれの投資手段の特徴、税制、コスト面を比較しながら、わかりやすく解説していきます。

田中貴金属の純金積立とは?現物保有の安心感が魅力

田中貴金属の純金積立は、毎月一定額を使って金を少しずつ買い集めていく積立投資方式です。現物の金を購入しているため、価格変動に直接連動し、将来的に引き出して現物として受け取ることも可能です。

メリットとしては以下の通りです。

  • 国内での現物保管で災害時・非常時に備えられる
  • ドル建て資産の代替としてインフレヘッジが期待できる
  • 20年以上保有すれば税制面で有利(長期譲渡所得の軽減)

一方で、年会費(1,200円)や売買スプレッド(最大5%前後)などのコストがやや重い点、また売却時の税制が「譲渡所得」扱いとなり、5年以内の売却であれば総合課税(最大55%)になる点には注意が必要です。

GLDMとは?ETFによる手軽な金投資の手段

GLDM(SPDR Gold MiniShares Trust)は、米国市場に上場している金ETFの一種で、実際の金価格に連動したパフォーマンスを目指しています。1口あたりが安く、少額から投資できるのが特徴です。

GLDMのメリット。

  • 為替を含めた国際的な資産分散が可能
  • 保管コストが年0.10%と極めて低コスト
  • 日本の証券口座からNISAや特定口座を使って投資可能

税制面では、GLDMは「上場株式等」として譲渡益に対し20.315%の分離課税が適用されます。特定口座で源泉徴収ありにすれば確定申告不要で運用可能。さらにNISA口座を利用すれば、利益は非課税になります。

コストと税制を比較:10年間500万円投資した場合

実際にトータル500万円を10年間投資したケースを、平均年利3.5%で仮定し比較すると以下のようになります。

項目 田中貴金属 GLDM(特定口座)
10年後想定資産 約705万円 約705万円
売却手数料 3%(約21万円) なし(市場価格)
税金 約57万円(総合課税例:33%想定) 約41万円(20.315%)
最終手取り額 約627万円 約664万円

あくまで一例ですが、税制とコスト面から見るとGLDMのほうが効率よくリターンを得られることがわかります。

それぞれの投資手段が向いている人とは?

田中貴金属の純金積立が向いている人:

  • 現物の金を保有したい
  • 長期保有(20年以上)を考えている
  • 自宅金庫や引き出しによる安心感を重視したい

GLDMが向いている人:

  • ETFに慣れていて低コストを重視したい
  • 為替リスクも含めた国際分散投資をしたい
  • NISAを活用して非課税メリットを最大化したい

なお、GLDMは米ドル建て資産となるため、為替変動が影響します。円高局面では円換算で元本割れする可能性があるため、為替リスクを理解しておくことが重要です。

まとめ:10年後のリターンを最大化したいならGLDM、安心感を求めるなら純金積立

同じ「金」への投資でも、田中貴金属の純金積立とGLDMでは、投資の仕組み・税制・コストが大きく異なります。税制や手数料、為替などを総合的に考慮すると、10年という投資期間であればGLDMのほうが効率的に手取りを増やせる可能性が高いといえます。

一方で、金現物を手元で保有する安心感や、日本円で完結するシンプルさを求めるなら、田中貴金属の積立も有力な選択肢です。目的・税制・リスク許容度に合わせた投資先の選定が、後悔しない金投資のカギとなるでしょう。

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