近年、同じ価格のまま内容量が減る「ステルス値上げ」が多くの消費者に気づかれ、話題となっています。たとえばポテトチップスが120gから96gに減っても価格が据え置かれていると、「実質値上げでは?」と感じる方も多いでしょう。本記事では、そのようなステルス値上げで企業の原価は実際どれくらい下がるのか、特にポテトチップスの事例をもとに解説します。
ステルス値上げとは?企業が選ぶ理由
ステルス値上げとは、価格を変更せずに内容量を減らすことで実質的な値上げを行う手法のことです。消費者への心理的負担を減らしつつ利益率を維持・向上させる手段として、多くの食品メーカーが採用しています。
たとえば「価格を据え置き」「パッケージはそのまま」「でも内容量は10〜20%減」といった変更が典型的です。値上げに対する消費者の反発を避けつつ、コスト上昇への対応策となっています。
ポテトチップスが20%減ると原価はどのくらい下がる?
仮に120g入りのポテトチップスを96gに変更した場合、内容量は20%減ります。原価の中で原材料(じゃがいも・油・調味料など)が占める割合は約30~40%とされています。
仮に1袋あたりの原材料費が40円だった場合、20%減量によって単純計算で約8円のコスト削減となります。ただし、パッケージや物流、人件費、宣伝費など固定的なコストは変わらないため、原価全体に対するインパクトは5〜10%程度です。
原価以外のコストはどうなっている?
ポテトチップスの製造コストは主に以下のように構成されています。
コスト項目 | 割合(目安) |
---|---|
原材料(じゃがいも、油) | 30〜40% |
包装・パッケージ | 20% |
人件費・工場稼働費 | 15% |
物流・流通 | 10〜15% |
広告・販促費 | 10% |
このため内容量を20%減らしても、すべてのコストが20%下がるわけではありません。パッケージや配送などのコストは変わらないため、減量による影響は主に原材料費に限られます。
企業側にとってのメリットと消費者への影響
企業にとってステルス値上げは「収益を維持しながら消費者離れを防ぐ」手段です。特に値上げが難しい価格帯商品(100円台など)では、減量の方が心理的抵抗を少なくできるとされています。
一方で、消費者にとっては「気づかぬうちに損をしていた」と感じやすく、企業イメージの悪化につながることも。SNSやレビューで不満が拡散される例もあります。
実例:2022年以降に話題になったステルス値上げ
・某大手菓子メーカー:ポテトチップスが120g→105g→90gと段階的に減量
・チョコレート:価格据え置きで内容量10%減+パッケージの視覚効果で気づかれにくく
こうした事例では、原材料の高騰(植物油や小麦など)を受けての対応であると説明されていますが、消費者の信頼維持には透明性のある告知も重要です。
まとめ:ステルス値上げで削減される原価は限定的だが効果的
ポテトチップスのような製品で20%の減量を行った場合、実際に下がるのは主に原材料費であり、全体原価に対する影響は10%前後と見られます。それでも企業にとっては利益率改善の重要な施策です。
消費者としてはステルス値上げに敏感になりすぎず、価格・内容量・品質を見極めて納得できる商品選びをすることが大切です。企業にも、より透明性の高い情報開示が求められています。

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