なぜ国債価格が下がると金利が上がるのか?金融の基本メカニズムをわかりやすく解説

経済、景気

国債や金利といった言葉は、ニュースなどでも頻繁に耳にしますが、その関係について正確に理解している人は意外と少ないかもしれません。特に「国債の値段が下がると金利が上がる」という逆相関の仕組みは、金融の基礎でもあり、知っておくと経済ニュースの理解が格段に深まります。

国債とは?そして「価格」とは何か

まず国債とは、国が発行する債券で「お金を貸してくれたら利息を付けて返すよ」という証書のようなものです。発行時に設定される利息は「表面利率」と呼ばれ、例えば年2%などと定められています。

国債の「価格」とは、市場で売買されるときの取引価格を意味します。つまり「満期まで保有して利息をもらう人」だけでなく、「途中で誰かに売る人」もいるため、需要と供給によって価格は常に変動しているのです。

利回り(=実質的な金利)は価格に反比例する

国債を市場で購入する人にとっての金利は「利回り」と言い、これは『利息 ÷ 購入価格』で計算されます。つまり、価格が下がると分母が小さくなるため、利回り=金利が上がるという構造です。

たとえば額面100万円で年2万円の利息がつく国債が90万円で買えたとすると、利回りは2万円÷90万円=約2.22%となり、当初の表面利率よりも高くなるのです。

なぜ価格が下がるのか?市場の動きと背景

価格が下がる主な要因は「もっと利回りの良い国債が出回った」ことです。たとえば新しく発行される国債の利率が3%に引き上げられた場合、2%の国債は相対的に魅力が下がるため、その価格も下がります。

また、インフレ懸念や中央銀行の利上げなどが予想されると、投資家は将来的な金利上昇を織り込んで国債を売る傾向が強まり、結果として価格が下がります。

金利と景気の関係:なぜ理解しておくべきなのか

金利は住宅ローン、企業の資金調達、為替レートなどにも影響を与え、私たちの生活に密接に関係しています。その変動の背景にある「国債価格との関係」を知っておくことは、資産形成にも有用です。

たとえば、金利上昇が見込まれる場面では、国債価格は下落する可能性があるため、債券投資をする場合にはタイミングが重要になります。

実際の例:2022年〜2023年の米国債と利回りの動き

FRBがインフレ抑制のために金利を引き上げた際、米国の10年国債は価格が大きく下落し、利回りは2%台から4%台に急上昇しました。これはまさに「国債価格の下落=金利上昇」という構図を如実に表しています。

この動きに連動して、住宅ローン金利や企業の借入金利も上昇し、景気の減速や株式市場への影響も見られました。

まとめ:価格と金利の逆相関は金融の基本

国債の価格と金利の関係は、金融の世界における最も基本的な原理のひとつです。価格が下がれば金利は上がり、価格が上がれば金利は下がる。このシンプルな仕組みを理解することで、経済の流れをより深く読み解く力が身につきます。

初心者の方でも、「価格と利回りの逆相関」さえ押さえておけば、経済ニュースや投資判断に役立つ知識となるはずです。

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