積立投資のリターンとリスクは本当に銘柄で変わる?初心者が押さえるべき資産クラス別の目安と選び方

資産運用、投資信託、NISA

積立投資をはじめる際に気になるのが、どの程度のリターンとリスクを想定すべきかという点です。「リターン5〜10%、リスク20%程度」という指標は確かに耳にしますが、これはすべての銘柄に当てはまるわけではありません。投資対象の資産クラスや銘柄によって大きく異なります。この記事では、積立投資で知っておくべきリスク・リターンの目安と、銘柄ごとの違いについてわかりやすく解説します。

リスク・リターンとは何かを簡単に理解しよう

リターンは投資で得られる期待利益率、リスクは価格変動の幅を示します。たとえば、リターン5%・リスク20%とは「年平均5%で増えるが、1年で±20%程度のブレがある可能性がある」という意味です。

これは統計的な「標準偏差」という概念に基づいており、長期になるほどブレは平均化される傾向にあります。ただし、元本割れのリスクはゼロではないことも頭に入れておきましょう。

資産クラス別のリターンとリスクの目安

資産クラス 期待リターン(年率) リスク(標準偏差)
先進国株式(例:S&P500) 6〜8% 15〜20%
全世界株式(例:オルカン) 5〜7% 12〜18%
新興国株式 7〜10% 20〜30%
国内株式 4〜6% 15〜25%
債券(先進国) 1〜3% 3〜7%
国内債券 0.5〜1.5% 1〜3%

上記は過去の実績やモデルに基づいた平均的な目安です。たとえば、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500連動型)は、6〜8%の年率リターンが期待されますが、リーマンショックやコロナショックのような暴落では20〜30%以上の下落もありえます。

銘柄によって本当にリスクは変わるのか

リスク・リターンは「銘柄」そのものよりも、その銘柄が連動している「資産クラス」によって決まります。たとえば、S&P500連動のインデックスファンドは米国株全体に投資しているため、個別株(例:テスラ、エヌビディア)に比べてリスクが分散されています。

一方、テーマ型ファンドや新興国の個別銘柄は、リターンが大きくなる可能性もありますが、その分リスク(価格のブレ)も大きくなる傾向があります。

積立期間が長いほどリスクは平均化される

積立投資の最大の利点は、時間分散によるリスクの平準化です。毎月定額を投資することで、価格が高い時には少なく、価格が安い時には多く購入できる「ドルコスト平均法」が働きます。

たとえば、S&P500を毎月積み立てて10年以上保有した場合、過去データ上、元本割れのリスクは非常に低下します。リーマンショック直後に始めても、10年後には大きなリターンを得ているケースが多数あります。

自分のリスク許容度に合った銘柄選びが重要

どの銘柄も一律に「リターン5〜10%、リスク20%」というわけではありません。重要なのは、自分がどれくらいの価格変動に耐えられるかを基準にして、資産配分を考えることです。

たとえば、リスクに弱い人は「全世界株式+債券」のミックス、リスクを取ってリターンを狙いたい人は「米国株100%」という戦略も一案です。

まとめ:リターンとリスクは銘柄で変わる、だからこそ戦略が重要

「どの銘柄でも同じようなリターンとリスク」ではなく、投資対象ごとに特性は明確に異なります。自分の投資目的・期間・リスク許容度を把握したうえで、適切なアセットクラスや銘柄を選ぶことが、長期投資の成功には不可欠です。

まずは無理のない範囲から始めて、投資を「続けられること」が一番大切です。

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