景気変動に左右されにくい「ディフェンシブ株」は、安定した配当や値動きの緩やかさから長期投資やリスク分散に適しているとされます。しかし、実際にどのような手順で銘柄を選べばよいのか、迷う方も多いのではないでしょうか。この記事では、セクター・決算・チャートという3つの観点から、ディフェンシブ株の選定手順を実例とともに解説します。
まずはセクター選定から始めるのが基本
ディフェンシブ株を探す際、最初に見るべきは「セクター(業種)」です。具体的には、食品、医薬品、電力・ガス、通信など、生活インフラに関わる分野が該当します。
例えば、花王(4452)や中外製薬(4519)、NTT(9432)などは、景気の良し悪しに関わらず一定の需要が見込める企業であり、ディフェンシブ株の代表例として挙げられます。
次に確認すべきは財務・決算内容
セクターで候補を絞った後は、個別企業の財務体質や決算情報を確認しましょう。安定性が重視されるディフェンシブ株では、特に次の指標が注目されます。
- 営業利益率・経常利益率
- 自己資本比率
- フリーキャッシュフロー
- 配当性向・増配履歴
これらが安定している銘柄は、長期保有に適しています。例としては、電力大手の関西電力(9503)や食品大手の味の素(2802)などが好決算と財務の安定性で評価されています。
チャート分析は「タイミング」を見るために活用
セクターと決算で候補を絞った後、最後にチャート分析を行いましょう。チャートは「買いのタイミング」を判断するために使うものであり、銘柄選定の第一段階には向いていません。
例えば、200日移動平均線に接近して反発している場合や、RSIが売られ過ぎ水準(30以下)であるときは、エントリーの好機であることが多いです。ただし、ディフェンシブ株はボラティリティが低いため、チャートでの短期的なトレードを狙うには不向きです。
実例:ディフェンシブ株の選定手順の流れ
例として、ディフェンシブな医薬品セクターから「武田薬品(4502)」を選定するとします。
- ①セクター:医薬品(ディフェンシブ)
- ②決算:営業利益率・配当性向が安定
- ③チャート:押し目を形成し、長期線で反発中
このような三段階の流れで分析することで、安定性の高いポートフォリオを構築できます。
ディフェンシブ株投資における注意点
ディフェンシブ株はリスクが低い反面、急激な成長性には欠ける傾向があります。高配当や安定収益を目的とする投資家にとっては有効ですが、短期間で大きな値上がり益を狙う投資には不向きです。
また、あくまで「相対的に景気の影響を受けにくい」だけであり、不況や規制変更があれば価格は下落することもあります。
まとめ:セクター→決算→チャートの順がベスト
ディフェンシブ株の選定では、まずセクターで候補を絞り、次に決算や財務体質を確認し、最後にチャートでエントリータイミングを判断するのが王道です。
この3ステップを意識することで、安定的かつ合理的な銘柄選びが可能になります。長期保有を前提とした戦略の中で、ぜひ取り入れてみてください。

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