「短期足はダマシが多い」とは、多くのトレーダーが口を揃えて言う言葉です。しかし、それは果たして主観だけの意見なのでしょうか?本記事では、短期足(1分足や5分足など)と長期足(4時間足や日足など)の“ダマシ”の傾向について、理論と実例を交えて検証していきます。
そもそも“ダマシ”とは何か?
トレードにおける“ダマシ”とは、テクニカル指標やローソク足パターンでシグナルが出現したにも関わらず、その方向に価格が進まずに反転してしまう現象を指します。たとえば、ブレイクアウトしたと思ったらすぐに価格が元に戻る、などが該当します。
この現象は時間軸によっても発生しやすさに違いがあります。特に短期足では、市場ノイズ(=偶発的な値動き)に影響されやすく、結果として“ダマシ”が多くなる傾向があります。
短期足と長期足の違い
短期足(1分足・5分足)は、ローソク1本あたりの時間が短いため、細かい値動きを追いやすいのが特徴です。一方、長期足(4時間足・日足)は、より多くの市場参加者の意思が反映されやすいため、ダマシに強いとされます。
たとえば1分足で見た「上昇トレンド」は、5分足で見ればレンジ、4時間足で見れば下落トレンド中の調整である、ということも珍しくありません。これが短期足の“ダマシ”が多く見える一因です。
データで見るダマシの発生頻度
2020年〜2023年のドル円の過去チャートを使ってブレイクアウトパターンの成功率を分析した検証では、1分足での成功率は約40〜45%、5分足では50〜55%、4時間足では60%を超えることも確認されています(条件や定義により異なります)。
このデータからも明らかに、短期足ほどシグナルの信頼性が低い=ダマシが多い傾向があることがわかります。
なぜ短期足は“ダマシ”が多いのか?
- 市場ノイズの影響:出来高の少ないタイミングや薄商いの時間帯では、少額の注文でも値が動きやすく、テクニカルのシグナルが機能しにくくなります。
- アルゴリズムの影響:ミリ秒単位で反応するHFT(高速取引)が短期足のチャートに影響を及ぼしており、個人投資家のシグナルとぶつかることが多い。
- 感情的なトレード:短期足は感情に左右されやすく、損切り・利確が早まりやすい傾向も。
“だまされない”ための対策
短期足でトレードする場合は、以下のような対策が有効です。
- 複数時間軸での分析:1分足や5分足だけでなく、15分足や1時間足での環境認識を行い、トレンド方向と一致したトレードを心がけましょう。
- ボリューム(出来高)の確認:ブレイク時に出来高が伴っているかどうかで“本物”か“ダマシ”かを見極めるヒントになります。
- 明確なルール設定:感情を排し、機械的にルールに従うことでダマシによる無駄なエントリーを減らせます。
実例:短期足と長期足での違い
2022年6月のドル円のチャートを例にすると、1分足では直近高値ブレイクで買いシグナルが出てすぐに反転。しかし、4時間足では明確な上昇トレンド中の押し目で、15分足でのエントリーなら成功率が高かったといったケースが報告されています。
このように、1つの時間軸に頼らない視点がダマシを減らすカギとなります。
まとめ:短期足には“ダマシ”が多いのは事実。しかし…
確かに短期足では“ダマシ”が多く発生しますが、それはあくまで市場構造の一部にすぎません。正しい知識とスキル、そして時間軸の使い分けによって、リスクは大きく軽減可能です。
重要なのは、「ダマシが多いから使わない」ではなく、「ダマシを織り込んで戦略を立てる」こと。短期足を使いこなすには、経験と検証、そして冷静な判断力が求められます。

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