コロナ禍を経て、世界的にインフレが進み、日本も例外ではありませんでした。現金を持っているだけでは目減りしてしまうこの時代、いったい誰が得をし、誰が損をするのでしょうか?本記事では、国債・銀行・個人投資家など、それぞれの立場で起こった実質的な影響を整理しながら、インフレ下の経済構造について考察します。
インフレと現金の価値:なぜ預金は損をするのか
インフレとは、物価が上昇し、お金の価値が相対的に下がる現象です。たとえば、1000万円を普通預金で保有していても、物価が10%上昇すれば、実質的な購買力は900万円分にまで落ち込みます。
銀行預金の金利はわずか0.001%〜0.2%程度であり、インフレ率を到底カバーできません。そのため「インフレ=現金の目減り」という状況が続いています。
インフレで得をするのは誰か?
まず最も恩恵を受けるのは国(政府)です。国債という形で膨大な借金を抱える政府にとって、インフレによってお金の価値が下がることは、借金の「実質返済額」が減ることを意味します。
例として、100兆円の国債を5年で返すとして、年2%のインフレが続けば、実質的には約9.5兆円の借金が「目減り」することになります。
銀行と保険会社のジレンマ:金利が上げられない背景
一方、銀行は国債を大量に保有しており、インフレにより国債価格が下がると帳簿上で評価損を抱えることになります。これは「含み損」として処理され、金融機関の健全性を脅かす要因となります。
そのため、預金金利をむやみに上げると、資金調達コストが上昇し経営が厳しくなるため、金利を上げたくても上げられないという現実があります。
個人投資家の損益構造:現金 vs 投資資産
現金を保有しているだけでは実質的に損をする一方、インフレに備えた投資をしている人々は影響を軽減できています。
- インフレに強い資産:不動産、金(ゴールド)、株式の一部
- インフレに弱い資産:国債、現金、低利回りの預金
たとえば、2020年〜2023年にかけてインフレが進行する中、日本株(TOPIX)は約30%以上上昇し、一部の投資家は実質的な資産価値を維持・増加させました。
インフレに気づかない「見えない損失」の危険性
インフレの怖いところは、「目に見えにくい損失」だという点です。通帳の残高が変わらないため損をしたと感じにくい一方で、生活費や日用品の価格は着実に上昇しています。
たとえば、2019年には税込98円だった即席ラーメンが、2024年には税込128円へ値上がりしていたり、光熱費が月平均2000円〜3000円上がったという家庭もあります。
まとめ:資産防衛には「現金以外」も必要
インフレは国や借金を抱える側にとっては有利に働きますが、一般市民、とくに現金保有者にとっては「知らないうちに損をする」仕組みです。
だからこそ、資産の一部をインフレに強い形で持つことがこれからの資産防衛の鍵になります。何に投資するかはリスク許容度によりますが、まずは現金以外の選択肢に目を向けることが重要です。

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